レビュー
“何かがおかしい”。疑念の描写の連続が、やがて来る“残り30分の衝撃”に繋がっていて、まるでゆっくり膨らました風船が限界点で破裂するような、“緊張の破裂”を体感する映画。 製作を手掛けたのは『ヴィジット』『スプリット』のジェイソン・ブラム。アメリカのお笑いコンビ“キー&ピール”のジョーダン・ピールが初の監督・脚本。世界的ヒットメーカーと大人気コメディアンの異色のタッグ。 低予算ながらも全米初登場でスマッシュヒットを記録し、 某米映画レビューサイトで99%大絶賛らしい。 本作が“次の”超傑作サプライズ・スリラー!「ドント・ブリーズ」「イット・フォローズ」の《正統継承作品》に認定!(映画.com)らしい。 『ヴィジット』『スプリット』のジェイソン・ブラムならでは、緊張感の山の作り方が芸術的。なぜ使用人が黒人だけなのか?なぜその使用人が笑いながら涙したのか?なぜカメラのフラッシュに鼻血を出して錯乱するのか?数分に一回レベルで疑念が膨らみ続ける前半の90分は、誰しも見飽きない展開。その映画の山を迎えた後の、伏線回収の残り30分も息を飲む展開。ガールフレンドの、外科医の父や、催眠術師の母、盲目の知人など、登場人物達の存在に全く無駄が無いことが分かる。 また、人種差別とうテーマが乗っている分、他のサスペンスホラーより大幅に意義を持つ映画になれていると思う。絶妙なのは、否定的な意味だけでなく、肯定的な差別も内包していること。“身体的能力が卓越している”。あえてそれを羨む・欲する白人の図式とする事で、人種差別問題を一方的な捉え方にせず、絶妙に風刺していると思う。それがアメリカで受けている理由なのでは。
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