レビュー
星ゆたか

星ゆたか

4 years ago

2.5


content

トールキン 旅のはじまり

映画 ・ 2019

平均 3.3

2022.5 「指輪物語」「ロード・オブ・ザリング」の著者。 ジョン・ロナルド・R・トールキンの半生を描いた映画。 第一次世界大戦で共に出兵し、戦死した親友の母親に言う言葉が、心に残る。 友の才能が結集した詩集を出版することを勧める彼に戸惑う母親。『詩集が何か役に立つのでしょうか?』 『こういう時代からこそ、今だからこそ、詩や物語の芸術が、世の中の人達に必要なんです。』後にこの母親は亡き息子の残した「春の収穫」という題名の詩集を出版した。 100年以上経った現在でも、例えばロシアのウクライナ侵攻一つとっても、戦時下の人々の苦しみを和らげる文化の必要性が問われる。むろん経済的、医療的支援の上でのことではあるが。 映画としては、トールキンというファンタジー作家の半生記入門編という評価がなされているようだ。 私的にはこの作家の作品に、あまり思い入れがないので、今後はよく言われるこの人の〔宗教観〕ケルト神話・北欧神話の内容についての言及がなされた映画を期待したい。 それでも、キングエドワード校での級友との友情、愛する妻との馴そめなどの描写だけでも、充分楽しめた。 それにしても、返す返すも、人間の愚かな戦争行為によって、失なわれる多大な未来遺産(戦争で亡くならなければ、その人達によって描けた文化)を思う度に残念でたまらない。