レビュー
何か日本の映画を観ている感じであった。 原作が日本人作家によるものだから・・・という理由だけではないと思う。 日本に輸入される韓国映画、特に現代モノは、かなりキツいシチュエーションに置かれた主人公が、かなりキツめの行動するもの、もしくは極めてベタな恋愛モノ、さらにはそれらの混合・・が多いという印象がある。 本作は、元カレに借金を返してもらうため、さらに借金をさせるという一日を追った「小旅行」モノであるのだが、事件らしい事件は何も起こらないし、二人が何とかなるようなラストでもない。アクション性は皆無であるにもかかわらず、最後まで飽きなかった。 主役二人の魅力によるところが大きいと思う。 ハ・ジョンウ扮するビョンウンは、だらしのない性格の男で、胡散臭く能天気に生きているのだが、不思議と誰も彼を悪くは言わない。 チョン・ドヨン扮するヒスは、キツめのメイクが象徴するように、無駄にプライドが高いのだが、無駄な行動はしないタイプで、めったに笑わない。 まあ、でこぼこコンビと言えるのであって、二人の会話と行動が可笑しくもあり、哀愁もありで、漫才や人情モノの好きな日本人にはウケが良いのではと思う。 ラスト、一人車内でヒスの表情が緩んでゆく長廻しと、冷蔵庫に貼った借用書が微笑ましい。良い終わり方だと思った。
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