レビュー
dreamer

dreamer

3 years ago

4.5


content

カールじいさんの空飛ぶ家

映画 ・ 2009

平均 3.4

ピクサーが、初めて平凡な人間を主人公に据え、絶望から再生していく姿を描いたCGアニメが「カールじいさんの空飛ぶ家」だ。 78歳の独居老人カールが、亡くなった妻を回想する場面から、この物語は始まる。 幼い頃の出会いから永遠の別れまで、節目節目を絶妙に配した映像によって、二人の人生を紡ぎ出す。 わずかな時間にすぎないのだが、夫婦の深い愛と絆、カールの悲しみがじんわりと伝わってきて、切ない思いに駆られてしまう。 ラストシーンが強く印象に残る事はよくあるけれど、冒頭の場面でこれほどに魅了される作品は、極めて稀だと思う。 このシーンだけで、短編映画が1本出来るのでは、と思えるほどの巧みな演出だ。 そしてすぐに、第二の見せ場がやってくる。 都市開発で立ち退きを迫られたカールが、妻の思い出が詰まった我が家に、無数の風船をつけ、空へと飛び立つシーンだ。 アニメならではのカラフルな色使いで、夢溢れるシーンを美しく描き出している。 ここまでは感動のファンタジー。 だが、ここからは冒険アクションへと変貌する。 カールは機転を利かして、次々と訪れるピンチを乗り越え、体を張って勇敢に悪人どもと戦っていく。 その姿は、まるでインディ・ジョーンズのようだ。 老夫婦の愛に胸を打たれるのもよし、登場する可愛い犬たちに歓声をあげるもよし、バトルアクションに手に汗握るもよし。 まさに老若男女、3世代で楽しめるエンタメ作品だ。