レビュー
kumo

kumo

8 years ago

5.0


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ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して

映画 ・ 2011

平均 3.3

2018年02月16日に見ました。

まとめを先に書いてしまいますと、どストライクゾーンです。この作品を初見した後、すぐさま連続して7回ほど見返してしまった。 ストーリーは三人の鳥愛好家が一年を通してひたすら多くの種類の鳥を観測し、誰が一番多くの鳥を観測できるか競うザ・ビッグイヤーという大会に参加する、いかにも地味な内容。その上その大会で優勝したところで賞金などの奨励があるわけでなく、鳥類観測にかかる費用も全て自費という、一般の人(自分も含めて)には参加する価値が到底理解できない大会。 しかし、見たら一瞬で心を鷲掴みにするほど面白く、見終わったころには自分も望遠鏡を買い、鳥について勉強したくなりました。要するに人の(少なくとも自分の)価値観に変化を与えてしまうほどの映画。劇中の随所に監督から出演者からスタッフの並ならぬ熱意が漂ってくる。始めの美しい鳥の映像で興味を引き寄せられ、最後も七百以上もの実際の鳥写真で圧倒される。 キャストも、ジャックブラック、スティーヴマーティン、オーウェンウィルソンと豪華な顔ぶれ。さらに製作にはベンスティラー、監督は「プラダを着た悪魔」のデイヴィッドフランケル。これで面白くないわけはないし、というかよくもこれだけ集まったと感心する。 シーンのほとんどは三人が鳥を観測するために果てはアラスカまで奔走するので、自然が多い。鳥の目撃情報をやり取りするシーンはポケモンGOを連想させる。しかし、程よく本人の家庭や私生活にもシーンを割いてテンポがいい。 自分が中でもグッと来たのはアラスカの険しい山々に囲まれて、澄み渡った青空の下で寒さに耐えながら、自転車に乗って、川を渡り、草の根を掻き分けながらでも鳥を追いかけて探すシーン。バックにColdplayのviva la vidaが流れ一気にその世界に飲み込まれた。不思議と感慨のようなものが起き上がり、まるで昔の情熱のような信念のようなものを呼び覚まされた感覚。 三人の中では、ボスティックが一番悲惨なように感じた。少し状況は違うけど多分デミアンチャゼルが「セッション」は悲惨な話とインタビューで答えたのはこういうことかもしれない。大切なものが本当は何なのかがこの映画のテーマでもあるかもしれない。 邦題とそのデザインには、もう呆れとしか感じられない。同じポスターでもアメリカ版のポスターの方がいい。特に右上の一文。 文句なしの満点作品。