レビュー
くらっしゃあ

くらっしゃあ

4 years ago

5.0


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映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

映画 ・ 2001

平均 4.0

【私的アニメーション映画50選】 ◇ひとりで観ていて本当に良かった映画◇ これは、本当にヤバイ映画だ。 間違いなく、傑作の部類に入る逸品。 2001年(たぶん)、21世紀始まりの年。 春日部市他日本各地で開催されている「20世紀博」なるイベントに町中の大人たちが熱中し、昭和の、特に70年代の懐かしい匂いによって、心が子供に帰ってしまう・・・しんのすけの両親ひろしとみさえも例外でなく、やがて、しんのすけとひまわりを置き去りにしたまま、アトラクションの中の住人になってしまう。町中の大人たちとともに。 残されたしんのすけと幼稚園の仲間たちは、かすかべ防衛隊を結成し、両親を取り戻すために行動を開始する・・・。 まずやっぱりなんと言っても、70年代の懐かしい光景の描写が秀逸。観ていて、感傷的な想いが喚起されずにはおれない。 同じアニメーション映画として、1979年の傑作『ルパン三世/カリオストロの城』にオマージュを捧げているところなんかもニクイ。←あちこちに出てきたと記憶する。 そういえばアニメではないが1977年の『ガントレット』な場面もあった。有名な例の場面だ。 そのいっぽうで、【懐かしい匂い】が通用しない子供であるしんのすけの、今と、そして未来を生きたい!という想いも心に響く。 その象徴的な場面が、子供になってしまったひろしが、ある物によって今に立ち還る場面。 ここは本当に反則だ。映像といい音楽といい、絶品。しんのすけとひろしの短い会話も素晴らしい。 初めて観た時、夜中にリビングでひとりで観ていたのだが、自転車二人乗りの場面で涙がこみあげ始め、件の場面で一気に涙腺大決壊。ひっくひっくしゃくり上げるように泣いてしまっていた。今でも「ひとりで観ていて良かったー」と胸を撫で下ろす。 また、ラストに流れる吉田拓郎の「今日までそして明日から」。この選曲の絶妙なこと! さらに、こばやしさちこが見事に歌い上げるエンディングテーマ「元気でいてね」。 本当に最高だった。 それから、本編を観ている間、事の首謀者イエスタディ・ワンスモアの二人の名前はあまり意識していなかったのだが、エンディングでふいに気がついてビックリ。 ケンとチャコって・・・うわあ『ケンちゃんチャコちゃん』ではないか・・・もう、かさねがさねお見事だと思った。 少しくらい、過去を懐かしんだっていい。だけど、しっかり今を前を向いて生きよう。けっして、大上段には構えてはいないが、そんなメッセージを、しんちゃんお得意のギャグに乗せて届けてくれている。 小さいお子様よりむしろ、大人、とりわけ幼い息子を持つ父親(初めて観た当時の私だ)の心を優しくえぐる映画だと思う。 久しぶりに観直してみようかなあ。