レビュー
dreamer

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1 year ago

3.5


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1941

映画 ・ 1979

平均 2.8

この映画「1941」はスティーヴン・スピルバーグ監督の作品の中で失敗作だと言われていますが、確かにそうだとは思いますが、だがそれなりに面白い映画であったことは確かです。 とにかく、この映画は何ともエネルギッシュで、破壊のスペクタクルに、ずっこけ、ドタバタで、笑い転げさせられる映画ですね。 この題名の「1941」とは、日本が真珠湾攻撃をした年。 その直後、アメリカ西海岸の人々は、かなり神経過敏になっているんですね。 日本軍の飛行機や軍艦が攻めて来るかもしれない-----と。 その通り、この映画では、カリフォルニアの沖、全裸で泳ぐ美女の股間から、バカッと「ジョーズ」もどきに潜望鏡を突き出したのは日本軍の潜水艦。 そして、その艦長は我らが世界のミフネこと三船敏郎で、クリストファー・リーの、ナチスドイツの派遣将校も乗っている。 この潜水艦、狙う目標は、なんとハリウッド。ハリウッドは、アメリカのシンボル。この映画の都では兵隊たちが、今日をなごりの大パーティ。 こうして、この映画は後半、我こそ敵機撃墜No.1と張り切る、ジョン・ベルーシのデタラメな飛行を中心に、もう、滅茶苦茶のぶっ壊しのスペクタクルになだれ込んでいく。 この状況設定は、ノーマン・ジュイソンが監督した「アメリカ上陸作戦」そっくりだが、みんな心優しく手を繋いでという、あの映画のテーマは、この映画では完全に拒否される。 敵と味方が戦うのではなく、味方同士がぶっ壊してしまう、その凄まじさ。 随所に飛び出すパロディの可笑しさよりも、特撮よりも、このぶち壊しのエネルギーの大盤振る舞いに驚いてしまう。 この破天荒なエネルギーは、当時33歳というスピルバーグ監督の若さゆえだろう。 だが、スピルバーグ監督は、その裏にもう一つの事を言っているようだ。 「激突」のトラック、「ジョーズ」のサメに、正体不明の現代の不安をたくし、また、「未知との遭遇」の宇宙母艦に死か神か、絶対的な存在を描いたスピルバーグ監督。 このぶち壊しのスペクタクルに、人間の内なる狂気を鮮やかにダブらせているのだと思う。