
星ゆたか

さかなのこ
平均 3.6
2023.5.23 ユニークな魚帽子と眼鏡で魚博士ぶりを、“ギョギョ語”で明るく振る舞う『さかなクン』の原作によるコメディ。 大好きな「横道世之介」(13)や「子供はわかってあげない」(21)の。 沖田修一監督(77年愛知出身)作品。 さかなクン。本名宮澤正之(75年東京出身)さん。 幼い頃から魚が大好きで、水族館に毎週のように通い観察。 中3の時学校で飼育していたカブトガニの人口孵化に成功し、新聞に取り上げられた。その様子は映画のヒロイン“ミーぼう”のエピソードとして描かれた。 小さい内から『お魚博士になりたい』と夢を語り、その信念を貫き通す。 国会で「自然環境と魚の実態」を語り。 同じ魚類学者の上皇陛下にも認められる存在に。 そしてユニークなのは。 5000種類以上の魚の料理法を知っていることと。食べた魚は550種類という。 一般庶民の食事と魚の知識を繋げたこと。そこには魚が好きだという感情が、人間と魚の共存関係に本図いている点が特徴だ。 本作品でも主人公の幼少時代に出会った、影響力の大きな人物“ギョギョギョおじさん”として、カメオ出演している。この出演については賛否両論で微妙な所だが。しかしその他でも。 魚類の監修、得意のバスクラリネットの演奏、題字やイラストの参与等、多才ぶりを遺憾なく発揮し、映画に全面的協力をしている。 またその活躍ぶりは今朝(23年5月23日の朝のNHKのTV体操の前の数分)にも。 【サカナ★スター】と題して。 ブタイの仲間が死んだサンゴを食べることで。新しいサンゴの生育の場所を与えている、自然の共存共栄の仕組みの話をしていて、興味深く見ました。 沖田監督は本作の主人公のミーぼうを『男か女かはどっちでもいい!』というスタンスで。 俳優のん(93年兵庫出身)さんに演じてもらっている。お見事‼️ のんさん本作へのコメントに。 『好きを信じること、好きであり続けることが変なのでなく、普通だと信じること。』 『好きで生きていることに誇りを持ってほしい。』と語っている。 映画では、十代の頃は将来の為に、魚以外の興味や勉強を勧める周囲の人達の中。 母親だけが最後まで娘を信じ、彼女の望む道を後押していて。 更に中学校の頃は“普通でない”子供ぶりに。やはり世の中から“はみ出している”不良仲間とごく自然に仲良くなる様子を”沖田節喜劇“で。 共演の柳楽優弥(90年東京出身)さんや磯村勇斗(92年静岡出身)さんらと共に愉快に描写。 そして二十代の頃は〔仕事〕や〔友人や親との関係〕に苦労する日々を少しシリアスにと描いた。 また映画では描かれてなく残念だが。 年頃の人間として、〔結婚〕や〔家族を持つこと〕だって当然考えたと思う。 実在のさかな🐟クンは、多分その辺の問題を。 魚に関する仕事で忙しくて、立ち向かえず。 *ちなみに彼の活躍する場所の千葉県の館山市は、私の亡き母親の故郷で私も幼い頃は度々訪れた土地だ。* その自身の男性の体面への向き合い方の、“照れ隠しの自己防御”のために。 あの魚帽子などの見た目の視覚や、ギョギョギョ語の聴覚があるのではないかと私は推測する。 ただ好きなことを突き詰めた先に。 そこで得た力が、世の中の自分以外の人達のために。明るい希望の力を与えることに繋がるならば。 それはそれで立派な生き方と言えるのではないかと思う。 本作は「好きであり続けることの重要性」 「好きを維持し続ける難しさ」を描いた映画だ。 “のん”さんという女の人が演じたのは。 《好》という字が〈女〉と〈子〉から成り立っていて。 その辺からも案外、この配役は理にかなっているのかも知れない。