レビュー
星ゆたか

星ゆたか

1 year ago

3.0


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千夜、一夜

映画 ・ 2022

平均 2.8

2024.10.2 年間約8万人の行方不明者の届け出があるという「失踪者リスト」に着想を得て。 ドキュメンタリー出身で。 「家路」(14)という映画(11年原発事故で進入禁止地域での話)久保田直監督作品に出演した。 田中裕子さん主演で、失踪者の夫をひたすら30年まちわびる女性の物語だ。 佐渡島という北朝鮮の拉致事件のあった土地柄を舞台にしているが。 その社会性の告発よりも、『失踪された側の人間の心の有り様に迫った』作品。 田中裕子さん演じる50代の女性·登美子は遠洋漁業の仕事をしている夫に。 ある日突然『ちょっと出かけてくる』と言われ、そのまま失踪されて。 手掛かりを求めて街頭呼び掛け運動なども熱心に取り組んだ。 残念ながら成果はでず。 『自分のどこが原因で失踪したのか』心に問答し続け。 まだ結婚解消の手続きもせぬままに。 30年がすぎていた。 近くのイカ加工工場のパートで働き。 日々幼馴染みの漁師の春男に言い寄られている。 そんなある日看護師の仕事をしながら、2年前『散歩に行ってくる』と日中出かけたままね中学教師の夫を探し待ちわびる奈美が紹介で訪ねてきた。 登美子が過去の経験上知り得る、[特定失踪者問題委員会]に調査資料を提出してもらうた為に。 更にその先に離婚調停依頼書として使用する為でもあった。 奈美は登美子さんのように『いつまでも夫を待つ』事は出来ない。 『結婚のそもそもの目的計画を実施していく』上で。 『35までに出産し子供を育てていきたい』 その為にはいつ戻るか分からない夫より。 病院の同僚の男性の求愛を受け。 前向きに生きたいと思っていた。 この二人の夫に失踪された妻の立場で異なる考えを持った女性を対比させながら。 『生きる目的·意義を考えたい』とするテーマが浮き上がってくる。 劇中登美子の実母と。 夫の義母が亡くなり。 その義母の葬儀に出向いた時に偶然。 奈美の夫と遭遇し。 登美子は自分の夫に問いかけるように。 『失踪した経緯と理由』を聞き出した。 そして奈美が既に新しい“夫候補”の男と同棲している所へ。 状況を元夫婦のどちらにも話さず。 付き添い(どちらからも感情に走り過ぎないよう頼まれ) “修羅場”へ。 その後映画は帰宅した登美子の家の夜。 雨も降る中、奈美に追い出された夫が。 お世話になった登美子が失踪夫を30年も待ち続けている女性と知らされて訪ねてきた。 ここで奈美の夫の失踪の理由。 『幾つで子供を持ち家を建てと、結婚計画のプランどうりに生きなくてはならない事に疑問を⁉️』 登美子の待ち続ける理由。 『父親が戦争心身症から暴力的になり、その為、登美子は男性恐怖症になり。初めての男性·夫に全ての心の拠り所を託していた』 その夫の明快な失踪の理由を聴くまでは、先に歩み出せない。 だから、いくら幼馴染みが夫が帰るまで一緒になって欲しいとせがまれても、応えられないのだ。 映画の見せ場としては。 突然登美子に連れられて夫が帰ってきて。 大きく動揺する奈美とらの修羅場の所と。 その後の、登美子と奈美の夫(まるで背格好から登美子の夫の代わりのような)と。 【失踪】を廻る理解と和解の抱擁の場面があげられると思うが。 この登美子の30年は、奈美の2年に比べ長過ぎやしないか?。 せめて登美子の方を15年位にして。 奈美の2年と比べたら、失踪された女の男を待つ心持ちに具体的な実感が、もっと伴うのではないかと思った。 30年の歳月の中には、この二時間ばかりの映画で描ききれない、もって余りすぎる程の出来事と心の動きがあっただろうから。 ただ時間の流れには、凝縮した幸·不運結果や、或いは平坦な無為な部分も含めて、誰も止める事の出来ない日々連続の経緯は。 振り返ると『あっという間⁉️』である事も真実。 だから30年もそれこそ長いようで短いのかも知れない。 という風に考えた時。 田中裕子の演じる女性の辛抱強さも。 ダンカン演じる男性のしつこさも。 その時の流れの中では。 決して長くない瞬間瞬時の思いのほとばしりなのかもね。