レビュー
ジュネ

ジュネ

7 years ago

4.5


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華氏 119

映画 ・ 2018

平均 3.3

マイケル・ムーア監督の最新作はドナルド・トランプ大統領の政策批判…かと思いきや、アメリカ合衆国という国家に根付いた政党政治の腐敗と不備を明らかにする、重厚で意義深いドキュメンタリーでした。 劇中ではトランプ大統領の誕生をあの手この手で皮肉ると同時に、その理由の1つを民主党の愚策にあると指摘します。これが見ていて信じられない話の連続で、スナイダー知事による水質汚染問題に関してはヘドが出る、の一言です。オバマ大統領による陳腐なパフォーマンスやフリントでの強制軍事訓練実施など、これまで報道されてきた彼のクリーンなイメージも完全にメッキが剥がれたという感じで、所詮は金と権力に左右された軍の傀儡でしかないのだな、と幻滅してしまいました。 テロリストやメキシコカルテルの売人を散々抑圧しておきながら、政治家がそれ以上の悪党というのもアメリカならではといったところでしょうか。ですが、一方でそんな悲劇的な状況にもめげず、変革を遂げようと一市民たちが手を取り合って立ち上がり、そして本当に国の行く末を変えてしまうのもアメリカならではだと思います。 135分と長めの一本ですけれど、知れば知るほどアメリカの奥深さや面白さが次々に顔を覗かせ、全く飽きることがありません。本作を見た後、帰宅した私の目に飛び込んできたのは「渋谷でハロウィンパーティー、変態仮装行列の実態!」の文字。何だか心底恥ずかしくなりましたね。