レビュー
5時間完全版なるものを鑑賞。 これは...ベルイマンの偉大な映画人生における集大成に相応しい大傑作。 それまでのベルイマン作品の全ての要素が詰まっており、同時にベルイマン自身の全てが詰まっている自伝的な作品。 明らかにベルイマンの分身である主人公ファニーとアレクサンデルの視点を通して見るのは、スウェーデンの名家エクダール一家の喜劇と悲劇。そこには様々な人間の姿が映し出される。愛や生死、性、宗教などを、超自然的な能力を持った幼い子供を通して描いている。特にこの幻視能力が、この映画に不思議な雰囲気を持たせている。全ての映画の中で、私が完璧な脚本と満を持して言えるのは、この映画くらいだと思う。 そして、本作は脚本だけでなく、色彩の美しさも完璧と言えよう。あまりに美しいセットや衣装には時々はっとしてしまう。ワンシーンワンシーンがまるで絵画のようで、スウェーデンという美しき土壌が大いに生かされている。 作文用紙10枚使っても魅力を語り尽くすことができないこの大傑作は、ベルイマン作品を観尽くした人に是非オススメする。
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