レビュー
レビュー
star4.0
監督と脚本をショーン・ベイカーが務めて製作された2017年のアメリカ映画 ・ フロリダにある世界最大のリゾートであるディズニー・ワールドの周辺にある安モーテルで暮らす母娘の物語。職もなくその日暮らしの母親ヘイリー、毎日似た境遇の友達と外で遊ぶ娘のムーニー。フロリダの貧困層の真実、アメリカの現実を6歳の子供の視点で描き浮き彫りにした作品 ・ iPhoneで映画を撮影したりするなど注目度の高い新進気鋭の映画監督ショーン・ベイカー。カラフルな描写が多いことから、北野武の「北野ブルー」のように「ベイカー・レインボー」と言われる豊かな色彩はポップで目を引く。この作品でもiPhoneの映像を使っているんだけど、iPhoneを使ったラストシーンはたくさん映画を観てきたけど印象に残るものだった ・ ムーニー役のブルックリン・プリンスは小さな頃から子役をやってる天才肌。天才子役がそこら中にいそうなアメリカだけど、この子もかなりすごい。他の子役はほとんどオーディションで選ばれた素人同然の子だというのは驚き。母親ヘイリー役のブリア・ヴィネイトなんか監督がインスタで発掘した本当の演技素人。初めての演技とは思えない迫真の演技だった ・ そんな危うい俳優陣を引き締めているのがベテラン名優ウィレム・デフォー。母娘を見守るモーテルの支配人。時に厳しくもどこか優しい支配人。ウィレム・デフォーって本当に素敵な役者だなあって再確認できた。この作品が作品として仕上がったのは彼の貢献が大きかったと思う ・ 夢と魔法の国のすぐ近くで夢も魔法もないモーテルがある。浮かれてリゾートで遊んで暮らすことが悪いとは言わないが、一歩外に出るとこういった現実もあると知ることは大切だ。現実は甘くない。でも弱い立場の人間に寄り添い、暗い場所に光をあてるショーン・ベイカー監督ってすごい。この監督の今後の作品も注目していきたい
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