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ティム・バートンのコープスブライド
平均 3.4
2021年11月07日に見ました。
ティム・バートンとマイク・ジョンソンが監督を務めた、2005年公開のストップモーション・アニメーション。 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で確立したアニメーション技法を用いて制作された本作は、第78回アカデミー賞にて長編アニメ賞にノミネートした作品とのこと。今回も今回でティム・バートンの作家性や映像センス、毒っ気あるユーモアが炸裂した濃密な映像体験でした。作品が作品なだけにどうしても『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と参照してしまいますが、今回は「現実世界と死者の世界の描き方」があちらとは大きく異なります。本作における現実世界はザック・スナイダーに勝るとも劣らない、ダークで重たいノワール風味なデザインで統一されており、一方で死者の世界は活気に溢れたポップでユニークな世界として描かれています。この対比のさせ方は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』とちょうど真逆の演出であり、全体的なルックこそ近いもののまた違った味わいの世界観を提示してくれています。 ロシアの民話を基にした脚本なだけあって、大筋のストーリー自体も今回はよりリアルなものになっています。一方で悪役の造形や顛末はより分かりやすくなっており、エンターテイメント作品としてのバランスも絶妙だと思いました。そして最後は、いかにもティム・バートン作品らしい「一見ハッピーエンド風な幕引き」を見せてくれます。このエンディングからも本作の真の主人公はヒロインのエミリーであり、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の主人公ジャックとも重なる何とも苦い後味を残します。この尺の作品としては十分な満足度を与えてくれる一作でした。 いやいや、タイトルに「ティム・バートンの」なんて付けなくたって、誰がどう見てもあんたの作品だってすぐ分かるから安心してくれ。