レビュー
とにかく言いたいのは、なんだこの意味のわからない邦題は。主人公は確かに自分の良心をねじ曲げてやってはいけないことをしてしまいますが、根っからのダメ男ではありませんし、男の子の方もダメ少年になるまでに複雑な事情があったわけで。こんなしょうもない邦題のせいでつまらないコメディだと勘違いされてると思うとホントに気の毒です。 ポール・ジアマッティ演じるマイクは冴えない男なのですが、弁護士として自分の職務に良心に忠実な人間でした。しかし、それすらも壊してしまうほどアメリカ不況の影響は大きく、ついに彼は妻と子供のために自分の価値観を捨てざるを得なくなります。 そんな彼に自分の誇りとは何であったかを思い出させるのは、非行少年のカイルです。カイルはこの映画のなかでもっとも辛い思いを味わう人間です。なにしろ信頼していた人から裏切られる思いを2度も味わうのですから。 一方で自分のせいで不幸になってしまった人間を目の前にしながら、妻と子供に真実をひた隠しにして暮らさなければいけないマイクも、かなり辛いでしょう。だから彼を責める気にはとてもなれないのです。 非常に淡々と両者の交流を描く映画で、起伏に欠ける点も否めませんが、こんな邦題からは想像もつかないほどよくできたドラマだと思います。
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