レビュー
動画、という言葉が好きではなくて。映画とか映像というものの力を感じられる作品が好き。 そういう意味で、画面に意味が込められていない映像を観るのが苦痛である。 本作は、その「映像」というものの意味というのを感じさせてくれて楽しい。 つまり。映画であったり映像作品というのはやっぱり「視点」というものが重要な意味を持ち、誰がどういうものを見ているか、というものが感じられるかどうかだと思う。 本作はその「竜巻」を通して出来事や、それに対する人々の考えや、想いみたいなものを「映像」を通して語るという独特で、且つ不思議なつくりの災害パニックムービー。 日常、があって、上手くいかない人間関係とか仕事とか家庭の悩みがあって。 災害という不可避の突然降って湧いてくる困難。 から浮かび上がる死の恐怖と、死に際しての「残すこと」というものの重さ、などが随所に散りばめられている。 映像であるとか、映画であるとか、見るということや生や死や生活という人間ドラマという要素を要素だけでパッチワークするだけでもこうして自覚的につくられた「映像」だと、きちんと映画になるということで僕は賞賛したい。 特にラストのあまりにバカみたいだけど納得のオチも含めて、最高。
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