レビュー
shimabukurock

shimabukurock

7 years ago

見ている最中


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ROMA/ローマ

映画 ・ 2018

平均 3.6

とにかく撮影が素晴らしい。 淡々とし過ぎているくらいの物語と、リアルではあるけれどなかなか感情移入しづらい演技や設定に対して。 出来事を立体的に、実在感を持って捉えている。 観ている時にはどうってことない人物たちの感情が、しばらく経ってくるとズンと迫ってくる。 それを追うカメラ。まさに被写体との距離感と、時間を経て見つめる視点のバランス。 客観ショットのようで、たしかに「見つめている」というアングル。 1970年のメキシコ。富と貧困の格差と。民族の壁。女性の尊厳について。キュアロン監督の追憶の世界に浮かび上がるのは実に現代的な政治的メッセージ。 過去のエピソードから、実に現代の課題が見事に浮かび上がるのも見事。 主人公のクレオの床を掃除し、テーブルを磨き上げる、その美しさを画面が捉え。 まさに「磨き上げていく」映画だなぁと感動。メッセージを叫ぶことは一切せずに、出来事、視点、のみでここまで重層的な感情の物語、というのが実に映画的で、力強い。