レビュー
【可愛さのマシンガン映画】 何もしなくても可愛いおもちゃ達が、飛んで跳ねてほぼコントにまで至る、もうマシンガン級の可愛さの連打。加えて本作は“命の倫理”に及ぶ骨太テーマも乗り、鑑賞後は充足感に浸る。 ◆概要 「インサイド・ヘッド」脚本のジョシュ・クーリーが長編初監督。ボー・ピープが「トイ・ストーリー2」以来19年ぶりに再登場。声の出演に「フォレストガンプ」のトム・ハンクス、「マトリックス」シリーズのキアヌ・リーブスら。劇中にはカールじいさんやモンスターズインクなど、ピクサー作品のオマージュが多数登場(「トイストーリー4」のWikiより)。 ◆ストーリー ウッディたちの新しい持ち主となったボニーは、幼稚園の工作で作ったフォーキーを家に持ち帰る。ウッディ達の迎え入れられたフォーキーだったが、自分を「ゴミ」だと認識し、ゴミ箱に捨てられようとボニーのもとを逃げ出してしまう。仲間たちはフォーキーの捜索に乗り出すが……。 ◆感想 相変わらずおもちゃ達の可愛さ爆発。かつ本作は、“おもちゃにとっての本当の幸せとは”そんなテーマを語りかけてくる。“あなたはまだ本当のトイストーリーを知らないー”映画のキャッチコピーの通り、前作までとは少しだけ違うそんな芯の太さに、鑑賞後の満足感がまたひとしお。 まずは何と言ってもおもちゃ達の愛らしさ。自分の“内なる心”をボタン連打で何度も試してしまうバズや、ボニーの帽子屋おままごとの1番のパートナーとなったジェシー、コインに目がないポークチョップなどおなじみのメンバー達が、新しい持ち主の元で新しいおもちゃ達と仲良くやる冒頭からホッとする笑。(個人的にはトトロやエイリアンがあまり見当たらず残念)前作で突然いなくなっていたボー・ピープの過去も明らかにされ、むしろその分主役級の活躍だったのは、シリーズファンに向けての懺悔か笑。何度もゴミ箱に帰ろうとするフォーキーと、その度にそれを制する世話焼きウッディは、もうドリフ以上にテッパンな笑いのマシンガンでした笑。 新キャラ達の愛らしさも満載。ダッキー&バニーがバズと妄想した鍵取り合戦も爆笑だったし、ギャビーの結局はまっすぐな愛情欲にもほだされた。 ◆ 以下ネタバレ ◆ そして終始問いかけてくる、おもちゃにとっての本当の幸せとは何か、なテーマ。アンディの時ほどは愛されなくなっても、ボニーのためにとフォーキーの世話を焼くウッディ。ゴミはゴミらしく、と悲観的なフォーキー。過去に持ち主との別れを経験し、おもちゃとしての別の生き方をとったボー。一度だけでも愛されたいと願うギャビー。ギャビーのためについには発声機を譲るウッディ。そしておもちゃとしての別の生き方を選んだウッディ。様々な立場のおもちゃがいて、“人間に吹き込まれた命は必ずしも人間に尽くすだけのものではない”なんだか命の倫理に関わる骨太なテーマに、ずっしり考えさせられるラストになってました。新しく生まれたフォーキーの仲間のセリフ“なぜ私は生きてるの?”も、軽くも重くも受け止められる。 それでもやっぱり、ギャビーが幸せを掴む遊園地でのシーンには単純に涙腺崩壊スイッチをもってかれました。 おもちゃを大切に、ただそれだけでは到底ない、命を吹き込まれたものが取る選択。それはおもちゃの目線で、おもちゃの世界にいざなってくれるこのシリーズが、辿り着くべき真のテーマなのかも知れない。 少し余談ながら、暗闇に怯え過呼吸になりかけるジェシーの描写や、ウッディがフォーキーに語った、自分を本物のスペースレンジャーだと思い込んでいたバズの昔話は、シリーズファンへの過去問を出されたような感覚笑。見逃してしまった過去問があるだろうか?? 最後に、映画を通してボニーのパパがただの災難でしかなかった事と笑、クレジットラストでデュークとハイタッチが出来た軍人トイに拍手!(3番目の軍人トイだけ、劇中でウッディとハイタッチ出来なかったのを見逃さなかった笑) レビューを書きながら思い出してまたニヤニヤしてしまうこのシリーズ。是非次回作にも期待したい!
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