
ジュネ
9 years ago

とらわれて夏
平均 3.4
これまでちょっとクセの強いキャラを主人公に据え、どちらかと言えば社会の嫌われ者をシニカルに描いてきたジェイソン・ライトマンが完全なる新境地へ挑んだメロドラマです。 やっぱりこの人は圧倒的に人物描写がうまくて、本作でも母を思いやるヘンリーの慈しみにも似た愛情や、脱獄犯フランクに父性を感じながらも自身の居場所を無くしてしまうのではないかという葛藤が、表情や行動を通じて細やかに伝わってきます。加えて少年の初恋にもスポットをあてて、さりげなく大人の階段を上らせるあたりが非常に心憎い。 また一本の映画のなかに、悲痛な過去を背負ったフランクや母親の回想、現在における二人の出会い、そして未来の時間軸が綺麗に流れており、最後が駆け足になった感は否めませんがバランス感覚が尋常ではないと思います。 全米ではこれまでのジェイソン・ライトマン作品とかけ離れたために評判が芳しくなく、監督自身も「失敗した」と認めているそうなんですが…お前らどんだけ贅沢なんだよ!と思ってしまいました。私は断固『とらわれて夏』がフィルモグラフィ史上ベスト1と言わせていただきます。