イゴールの約束
La Promesse
1996 · ドラマ · ベルギー, フランス, ルクセンブルク, チュニジア
90分



ベルギー。イゴール(ジェレミー・レニエ)は自動車の見習工。彼は父ロジェ(オリヴィエ・グルメ)に命令ですぐに仕事を抜けてしまう。ロジェは不法移民の斡旋が仕事で、イゴールは大事な助手なのだ。彼はほどなくクビに。不法移民宿泊施設。ブルキナファソ出身で古株のアミドゥ(ラスマネ・ウエドラオゴ)とその妻アシタ(アシタ・ウエドラオゴ)が赤ん坊を連れてやってくる。こっそりアシタの様子をのぞく父一人子一人のイゴール。そんな折り、アミドゥが建築現場で作業中、突然移民局の抜き打ち査察が。
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cocoa
4.0
原題はフランス語で「La Promesse」。 「約束」と言う意味。 かなり久しぶりの再鑑賞ですが、邦題のタイトル「イゴールの約束」は好きです。 ベルギーのダルデンヌ兄弟監督の作品は多く観ていますが、ほぼ30年前のこの作品からずっとテーマがぶれていない。 相変わらず世界で不法移民問題が絶えない今だから、余計に心を動かされました。 15歳のイゴールは学校にも行かず、自動車工場の見習いをしている。 何度も仕事を抜け出すイゴールはクビになる。 それは父親ロジェに完全に支配されているから。 父親は不法移民の斡旋業をしていてイゴールに手伝わせている。 何でもお金で考える父親に育てられ、イゴールも大人相手に宿泊代やその他を取り立てている。 ある日、不法移民のアミドゥが事故に合い、「妻と子どもを頼む」とイゴールに言い残し死んでしまう。 その遺体をコンクリート詰めにして隠した父親ロジェ。 しかしイゴールはアミドゥとの約束を忘れられなかった… そんなストーリーです。 イゴールを演じるのは当時15歳だったジェレミー・レニエ。 彼の作品もたくさん観ているが、最近は『ノーベンバー フランス警察最悪の5日間』の時はすっかり老けていてビックリ。 (それでも45歳なんだけれど) この作品のジェレミー・レニエは子どもながらに演技も上手い。 大人を騙して財布を盗んだり、父親の行動から次々と助っ人役に徹するイゴール。 彼はとんでもない悪党ではなく、同世代の友達と持ち寄った部品で変形ゴーカートを作るなど楽しみもある。 イゴールが忙しそうにミニバイクで疾走するのはいつも父親に呼びつけられるから。 バイクで走る時は支配された彼が子どもから大人にならざるを得ない、そんな切り替えになっている。 ブルキナファソからの不法移民、アミドゥが呼び寄せた妻アシタと赤ちゃん。 アミドゥが死んだことも隠され、イゴールは気になって仕方ない。 父親ロジェは嘘の電報を打ったり、他の男に襲わせたり、いろんな手段でアシタを国に帰らせようとする。 それを見ていたイゴールはアシタに寄り添い、父親ロジェに初めて反発するのです。 イゴールの生育歴はまったくわからない。 母は?父と髪の色も違うが本当の親子関係なの? そんな事をずっと考えて観ていた。 ロジェが違法な仕事をしながら育てたとしても、いつかはイゴールも大人になっていく。 そのきっかけがアミドゥとの約束だとしても、親子の主従関係がずっと続くとは思えない。 終わり方もダルデンヌ兄弟らしく、これからも人生が続く…。 ロジェ役は常連俳優のオリヴィエ・グルメ。 相変わらずの安定した演技で若いジェレミー・レニエの存在を引き出していた。 と言うことで、ダルデンヌ兄弟監督作品は最新の『トリとロキタ』まで期待を裏切らない作品ばかり。 それの出発点は「イゴールの約束」だったのかもしれない。
油麻
3.0
2023/6/25 見終わってから数時間経っているが、未だに余韻に浸ってる。少年が父親の呪縛から脱出し1人の自我を持った人間に成長していく物語であるが、ラストはアレで良かったのか…?もっと救いのある最後でも良かったのでは? と、モヤモヤしていたが、例え最後まで秘密のままにしていてもいずれはバレたろうし、何よりアシタを欺くことは父ロジェとやっていることは同じ。父親からの指輪を売り払ったイゴールに出来たことは本当のことを話すことだけだったろう。 カメラワークがなかなかに酔うが、映像に説得力があり90分あっという間だった。
nacchi
3.5
不法滞在外国人という現代的な題材から、「人との約束」「父と息子の葛藤」といった普遍的なテーマを扱っている。移民、不法就労って90年代ですでにここまで問題になっていたのかっていう驚き。車の整備工になろうと働いているけれど、父には逆らえず、父の仕事を手伝うために遅刻早退を繰り返すイゴール。15歳のイゴール少年が儚い。時代背景もあるんだけど、アウトサイダーズのポニーボーイとかぶる。そして尾崎豊の曲が脳内に鳴り響く。(彼は地毛なんだけど、ブロンドの髪が不良っぽく見えてしまう日本人の感覚のせいです。)イゴールが約束を守るために、父親の価値観・人生観という支配から抜け出さねばならない。イゴールも父を嫌いではないけど、たぶん恐怖は感じてる。父にとっては、イゴールが約束を守ることはすなわち父への反抗、息子の独立を意味する。15歳ということもあり、イゴールの決断に感嘆するとともに、父の目線では絶望、先行きを案じる気持ちが溢れてくる。
kom
2.5
ネタバレがあります!!
しじらみ
3.5
一箇所超絶パン繋ぎがある。
3.2.1.0
3.0
ネタバレがあります!!
いやよセブン
5.0
日本ではダルデンヌ兄弟監督作品の第一作目となる作品。 イゴールは不良少年で、学校も行かずに家業の手伝い。 その家業とは、父親ロジェがやっている不法移民の斡旋業だ。 移民のアミドゥが工事現場の足場から転落、居合わせたイゴールに妻子を頼む、と言って息を引き取る。 父親は病院や警察に届けることはせず、建築現場のコンクリートに埋めてしまう。 残された妻子の様子を探るイゴールだったが、隠していることが辛くなってくる。 とうとう父親と衝突、妻子をつれて逃亡生活に。 ダルデンヌ兄弟独特の異様な迫力に満ちた映像で、先の見えないストーリーに引き込まれていく。
akubi
3.5
罪悪感と後悔が彼の吐き出すたばこの煙と混じりあい、少年は苦しそうに目を細める。たばこをすうことが、まるでなにかの罰であるみたいに。 正しい ということがなんであるのかを知らずに生きてきた少年はやがて、自らの瞳で世界を見るようになる。彼の柔らかい心がすべて受けとめるには、この世界は惨すぎた。 この物語に終わりがないみたいに、これからすすむこの道に、どこかに闇を照らすひかりがあるという希望もまだ続いてゆくようで、わたしはあの雑踏のなか、拳をにぎりしめただ、霞んでゆくふたりの背中を追いかけた。
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