赤い闇 スターリンの冷たい大地で
Mr. Jones
2019 · 伝記/ドラマ/サスペンス · ポーランド, イギリス, ウクライナ
141分
©FILM PRODUKCJA - PARKHURST - KINOROB - JONES BOY FILM - KRAKOW FESTIVAL OFFICE - STUDIO PRODUKCYJNE ORKA - KINO ŚWIAT - SILESIA FILM INSTITUTE IN KATOWICE



1933年。ヒトラーへの取材経験を持つ若き英国人記者ガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)には、大いなる疑問があった。世界恐慌の嵐が吹き荒れる中、なぜスターリンが統治するソビエト連邦だけが繁栄しているのか。その謎を解くため、単身モスクワを訪れたジョーンズは、外国人記者を監視する当局の目を掻い潜り、すべての答えが隠されているウクライナ行きの汽車に乗り込む。だが、凍てついたウクライナの地を踏んだジョーンズが目にしたのは、想像を絶する悪夢のような光景だった……。
🌙 抜け殻になっても、感情は消えない
「ぬけがら」都度課金開始✨
🌙 抜け殻になっても、感情は消えない
「ぬけがら」都度課金開始✨
隣の唐十郎
4.0
1933年。大不況の時代、世界恐慌の中で一国だけ好景気を見せるソビエト連邦の秘密を探るため入国した英国ジャーナリストの見た想像を絶する悲惨。 スターリンの強行な政策により、2年間でおよそ1000万人以上(詳細な数字はもはや推定不能)の餓死者という甚大な被害を出したウクライナ地方。 ただでさえ凶作なのに全てを搾取され、強制労働で分断され、自立する術を奪われた生産者達は飢えて草の根や木の皮を食べ、ついに餓死者の遺体まで食べ多くの子供もさらわれたというこの世の地獄。 世界でも悪名高い[ホロドモール(飢餓に苦しんで死ぬ)]は人為的に拡大された大飢饉。1980年代まで隠され続けたソ連社会主義国家の闇なのです。
ジュネ
3.5
2020年135本目は、ジャーナリストが決死の覚悟でソ連に潜入し衝撃の事実を暴き出す『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』。 ------------------------------------------------------------ 長編映画としてはアカデミー賞にノミネートされた『ソハの地下水道』から実に8年ぶりとなります、アグニェシュカ・ホランドの新作です。正直なところ、前作に比べると尺もコンパクトな上、張り詰めるような緊迫感はかなり薄まっています。主人公がソ連で出会った美女と恋に落ちるラブロマンス要素が含まれているなど、作りが分かりやすく「ベタ」になっているのは否めません。 ------------------------------------------------------------ ただしウクライナに潜入以後の風景は壮絶の一言で、この部分に関しては見応えがありました。木の皮をかじり、遂には禁断の領域に踏み込まなければ生きていけない環境は地獄そのもの。一方、暖かい部屋の中で豪勢な酒と飯を楽しむ富裕層・政治家の姿が対比的に映し出され、見る者に不快感を与えます。この時、監督が彼らの咀嚼音や物をゴクリと飲み込む音を意図的に入れてるんですけど、こんな最低のASMRは聞いたことがないです。 ------------------------------------------------------------ 真実を明らかにすることを求め続けたガレス・ジョーンズ氏の姿勢に畏敬の念が募りますが、残念なことにロシア政府は今もウクライナ飢饉「ホロドモール」を自らの責任と考えていません。1200万人の死者を出しておきながら、ロシアにも同様の悲劇はあったと主張しているんですから呆れて物も言えません。未だに続く「赤い闇」の名残を感じます。
邊見 猛
5.0
ネタバレがあります!!
wishgiver
3.0
原題は"Mr.Jones"で、イギリス人ジャーナリスト、ガレス・ジョーンズの伝記的作品。 1933年、イギリス外交官の元軍事顧問だったガレス・ジョーンズは、世界恐慌の中でソ連だけが繁栄していることに疑問を持ち、その謎を解明するため、当局の監視をかいくぐってソ連に単身入国する。 西側のマスコミグループのリーダー、ニューヨーク・タイムズ紙モスクワ支局長デュランティの部下エイダから情報を得たジ ョーンズは、ウクライナに潜入し、想像を絶する飢餓の光景を目撃する。 ジョーンズはその事実を公表するが、元ピューリツァー賞受賞記者のデュランティにその事実を否定され、窮地に追い込まれた彼は思い切った行動に出る。。。 『マグニィフィセント・セブン』に続いて悪役を演じたデュランティ役のピーター・サースガードがやっぱりいい反面、エイダ役のヴァネッサ・カービーは珍しく存在感が薄く、もったいない。 映像もかなりリアルでカットワークもいいけど、原題が示す「ジョーンズvsデュランティ」をメインにしたストーリーの方が良かったように思います。 (2020.8.15@京都シネマ)
かおり
4.0
今、まさに、観なければいけない映画ですね。
Jenny
4.0
日本では余り知られていない、世界恐慌の1932〜1933年に起きたソ連による人為的な大飢饉(ホロドモール)を描く、実話です。 その舞台となるのが当時ソ連の一部とされていた、ウクライナ。スターリンの"新しい時代を築く為"の政策と称して引き起こされたこの大飢饉では、少なくとも400万人から1450万人が亡くなったとされています。 自分達が育てた穀物を全て搾取され、始めは残された家畜を、その次にペット、そして樹皮や革製品を食べ、身体的にも精神的にも極限まで追い込まれた人々はやがて、病や飢餓で亡くなった身内や自らの子供を食べるまでに。 それにより疫病が蔓延し、道端には飢えて亡くなった人々の亡骸が放置され、我々の想像を絶する地獄の様な状況だったのだろうと。 これ程までに悲惨な出来事が、当時のナチスドイツのホロコーストより知られていないのは何故か。それは周辺諸外国に侵略を仕掛けたドイツとは反対に、厳戒態勢で完全にウクライナ地方を西側諸国から切り離した事によるものなんですよね。 本作は、当時その閉ざされたウクライナにたった1人で潜入し真実を告発したジャーナリスト、ガレス・ジョーンズ氏の伝記でもあります。 終盤にあの『市民ケーン』のモデルとなった新聞王ウィリアム・R・ハーストも登場し、史実が明らかになっていく様はとてもリアルに感じました。 この終わりの見えない侵略が続く今だからこそ、多くの人が観なければならない映画ですし、 ジャーナリズムとは何か、独裁者と国民の関係性とは何か、非常に考えさせられるものが有りました。
モリリン
3.5
スターリンが栄華を誇っていた1933年に外国人が入れなかったソ連のウクライナで悲惨な飢饉の実情を知り、それを世の中に伝えようとした男の実話。 その当時、ウクライナでは数百万人もの人が人為的な飢饉で命をおとしたと言われるホロドモールがプーチンの侵攻に苦しむ今とオーバーラップする。
NORINORI
4.0
ウクライナ出身の日本在住の知り合いが、ウクライナとソ連の関係が分かる映画だと勧めていたので、今の世界の情勢(ロシアのウクライナ侵攻問題)も加味して一度観てみようと思ったのがきっかけでした。 第一次世界対戦が終わり、世界恐慌真っ只中。世界中が失業や貧困に喘ぐなか、スターリンが統治するソ連だけは、国民全員が豊かで貧困もなく平等な国だと言う。 真実を突き止めようと、イギリス人フリー記者が単身モスクワに乗り込み、更なる奥地、ウクライナまで。そこで衝撃の真実を知ることになる。 史実を元に製作されたわたし好みの作品だった。 ただ☆4にしたのは、些かコンパクトにまとめられていたから。 イギリス人記者は、もっと色んな現実を見たはずなのだが、作中では(時間の制限下だったのかもしれないが)割りと簡素に描写されていたように思う。 ただ、過去の真実を知るのにはとても良い作品だった。
さらに多くのコメントを見るには、ログインしてください!