ヒメアノ~ル
ヒメアノ~ル
2016 · 犯罪/サスペンス · 日本
99分
©2016「ヒメアノ~ル」製作委員会



“なにも起こらない日々”に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働いている岡田(濱田岳)は、同僚の安藤(ムロツヨシ)から想いを寄せるユカ(佐津川愛美)との恋のキューピット役を頼まれる。ユカが働くカフェに向かった岡田は、そこで高校時代の同級生・森田正一(森田剛)と出会う。ユカは岡田に森田からストーキングされていることを告げる。高校時代、過酷ないじめを受けていた森田に対して、岡田は不穏な気持ちを抱くが……。
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にしにし
4.0
"映画館を出たら、いつもの街並みが違って見えれば、その映画は名作"という法則が発動です。観終わると夜で、帰り道、ふと、街灯が照らす路地と暗がりの境や、その暗がりの奥が気になったりと、僕を取り巻く"世界"と薄い皮膜一枚を隔てて存在するかもしれないもう1つの日常の可能性を濃密に感じました。 前半のラブコメ路線だけで1本面白いものになりそうだけど、映画半ばのタイトルの出方が秀逸。それは、お気楽なラブコメ世界の周りを遠巻きに周回していたもう1つの"世界"が一気に侵食してくるサインで、これから何かとんでもなく嫌なことが起こる不穏さを観客に抱かせるのに十分で、妙な映画的興奮を覚えました。 この映画がユニークなのは、いじめられた経験が彼を生み出したのかがはっきりしない点。そのことが、この映画を一段階上位の、より普遍的なものにしてる気がします。いじめや虐待なんかが生む負の連鎖も大事なテーマだと思うけれど、この映画はもっと別の……あらゆる人(例えばそれが連続殺人鬼であれ、気のいい童貞の青年であれ)が持つ心の不可解さ、理不尽さから生じる世界の残酷な真実(と、もしかしたらささやかな救済)を描いてるんじゃないかなぁ。 ラストに示される、ある種の救いの可能性については、あざとい、とか、俗っぽい感じに落とし込んだと言えなくもないけど、あれはギリのバランスでアリだと僕は思いました。だって、泣いちゃったし。 寸分の隙のない演出は言わずもがな、役者がいい。森田剛、ユー、いっぱい映画賞獲っちゃいなよ!濱田岳の巧さは鼻につかない安定感だし、相手の女の子も、実に男にとってのファンタジー感満載でよかったし、ムロツヨシにはほっこりさせられたし(まさかの…だったけど)。 今年の邦画のレベルの高さを象徴する一本でした。
Till
4.5
古谷実の同名漫画を吉田恵輔が映画化したサスペンス。 純粋に笑って楽しめる「ラブコメ」、緊迫感・恐怖感溢れる「スリラー」、物語がどこに着地するか分からない「サスペンス」、そして心揺さぶられる切ない「人間ドラマ」といったあらゆるジャンルを取り込みつつも、それらが一切バランスを崩すことなく構成されているのが見事。原作からはかなり改変・脚色が施されているそうで、もはや別物に仕上がっているとの意見もあるらしいが、原作を知らない自分はその辺の是非を気にすることなくフラットな視点で観ることができたし、そもそも原作どうこうの前に一つの映画として非常に完成度が高いと思う。 前半は、清掃会社のパートタイマーとして働く岡田進(濱田岳)が同僚の安藤勇次(ムロツヨシ)からカフェ店員の阿部ユカ(佐津川愛美)との恋の橋渡し役を頼まれたのにもかかわらず、安藤に隠れてユカと付き合うことになってしまい…というストーリーで始まり、合間合間にサイコキラー森田(森田剛)の存在をチラつかせてはいるものの、基本的にはラブコメがメインである。ただ、ここもムロツヨシの絶妙な変人感に濱田岳の繊細な演技も相まってラブコメとして普通に笑えて楽しめる(個人的にはユカの友人アイちゃんがツボ)。ところが中盤に差し掛かろうとする頃にようやく「HIMEANOLE」というタイトルが出たかと思えば、そこからサイコスリラーへとジャンルが移行していく。殺人描写もかなりリアルで、本作は年齢制限(R15+)を受けているのだが、おそらく「グロさ」というよりは「生々しさ」がその最たる所以なのではないか。森田剛のジャニーズとは思えない怪演も手伝ってここはもう「ホラー」とも言える恐ろしさ。 しかし、ラスト5分くらいの展開で本作のもつ「ドラマ性」が爆発し、一気に観客の涙腺を緩ませる。この辺りが他の単なるサイコパス映画とは一線を画する部分なのだが、本作のレビューを読んでいると「森田に同情できない」「どんな事情があれど殺人を犯してはならない」として“批判”している文章が散見される。もちろん言ってることは正しいのだが、それを理由に批判するのは筋違いではないだろうか。というのも、本作はサイコキラーとしての森田に対して同情させるような作りには全くなっておらず、むしろ嫌悪感・憎悪感を抱かせるような演出が為されている。そこに最後森田の“あの頃”の映像を挿入することで、彼が変わり果ててしまった事の【悲哀】、そして彼を変えてしまった事の【重み】が後を引くのである。現状の森田に何一つ同情できない・理解できない、“だからこそ”理解できていた頃が想起されて【哀しさ】【やるせなさ】がこみ上げてくる。なので、「同情できない」というのはある意味大正解の反応であり、制作陣が意図していたものだと個人的に思う。 99分と短めの尺でありながら、非常に濃密かつエンターテインメントとして抜群に面白い。しばらく余韻の残る作品で、最初は★4にしていたのだが、このいつまでも消えない余韻につい★4.5に変えちゃいました。
Shunsuke Ohno
4.5
暴力は許せない。主人公には親近感が湧かない。寧ろ吐き気すらする。よくよく考えてみたら、登場人物の誰にも共感出来ない自分がいる。 それなのに、こんなにも胸が締め付けられるのは何故なんだろう。麦茶の味をやコップに着いた水滴の冷たさを思い出すのは何故なんだろう。 多分それは、誰にでも森田的な部分があるからであって、そして誰にでも岡田的な部分があるからである。 今の人生に満足している人こそ、この映画を観た後で誰を思い出すのか。それを楽しみに観てほしい、そんな映画である。 もちろんエンタメ映画としての基準を、軽やかに超えてくる吉田恵輔監督の手腕には、ただただ脱帽である。。
てっぺい
4.0
監督のセンスを感じた作品。岡田(濱田岳)とユカ(佐津川愛美)が交わるシーン〈性〉と、正一(森田剛)が殺人を行うシーン〈生〉を並列で描いた部分が映画として芸術的。 映画のラストで、正一の心の奥底にあった想いが描かれる。それまで猟奇的な人格の正一の、人間らしさや、人格を変えるいじめの重さが伝わってきて、一気にこの映画の深みや重みが増す。 漫画の映画化モノとしては、秀逸な作品だと思う。
Tomo_gabethedoggo
4.5
99分間目を離せない映画でした。 カットバックや、やっと出てくるタイトル出演者、 惹きつけられる撮り方でした。 ヒメアノールってなんぞや?wikiりました。 タイトルの『ヒメアノ〜ル』とはヒメトカゲという体長10cmほどの小型爬虫類で、つまり強者の餌となる弱者を意味する。 「強者の餌となる弱者」 内容はもうあえて言わないですが、 とくにかくもう悲しすぎて号泣しました。 思い出しただけでも無理、 お母さんと麦茶とわんちゃん好きなん。。゚(゚´ω`゚)゚。 あの一言で、森田のもともとの人柄を表せたのは すごい。 平凡な日常と残酷な現実は本当に表裏一体ですね。 すごく残酷ですがすごく心に残る映画です。 人には勧めませんが。゚(゚´ω`゚)゚。
なつみ
4.0
これ好きなんだよなー。 だいぶ前に見た作品だけど、すごく記憶に残っている。 原作の漫画自体がものすごく衝撃的で、今でもサイコパス系の作品を見ると必ず思い出す。 当時の自分の価値観に影響を与える作品だった。 漫画のラストは、どんでん返しとか衝撃的な展開とかそんなんじゃないのに、脳髄を揺さぶられる思いがした。 2ページの見開きの絵を今でも鮮明に覚えている。 そしてこの映画は、そんな原作を改変している。 よくあるストーリーとかキャラクターの改悪とか、そんなチープな改変じゃない。 作品そのもののメッセージ性、アイデンティティに関わる部分を変えていると感じた。 「生まれついての殺人鬼」という性悪説な森田のキャラ造形に、「もしかして境遇が彼を変えてしまったのか?」と思わせる性善説のエッセンスを加えている。 自分でも驚いたんだけど、そんな根本的な解釈の不一致に、全く不快感を感じなかったんだよな。 哲学は違うけど、原作も映画も見据えているものは同じだったからなのかもしれない。 猟奇映画界隈では大人気の「サイコキラー」だけど、その価値観にほとんど接することのない一般的小市民の自分は、その心理をよく理解していないし、できるとも思えない。 だから、基本的には彼らをどこか「別の生き物」、絶対的なエネミーとして見ている。 だけど、古谷先生も、吉田監督も、彼を「人間扱い」していると感じる。 どうしようもないサイコパスでも、生まれ持った自分のアイデンティティが、未来永劫、誰からも受け入れられない事実に絶望する。 暴力への本能を抑えきれないクズ野郎でも、楽しかった穏やかな時間の思い出を心にしまっておくことができる。 明確な意図を持って森田の人間性を描いているため、単なるサイコキラーもので終わらせない面白さがあった。 森田の殺人欲求が、岡田の性欲と並行して描かれていてタチが悪いんだけど、「なんで俺だけ病気扱いなんだよ」よいう森田の抗議にかかっていてうまい演出だな、と思った。 そのくせ、終わり方が優しい。 まるでトラウマのように心に傷跡を残すのに、優しいラスト。 胸糞悪いのに優しい、ずるい映画だと思った。
plus845
3.5
原作途中で読むの止めちゃったからどんな漫画だったかあんまり覚えてない。 わぐっちゃんは覚えてる。確か不快になって読むの止めたと思う。 タイトルまで43分! タイトルも出てなかったことすら忘れてた(笑) 森田剛怖い。特に怖い演技してない所が余計に怖い。 言ったそばから「そんなこと言ってない」って…うまくごまかすって気も無くてその場を逃れるためだけのどうでも良い嘘。 これも怖い。 殺人はどんな理由があっても擁護なんて出来ない。 だけど 「お母さ~ん!麦茶2杯」 のエンディングは心が痛くなる。 どこかで誰かが歯止めになれなかったかな…なんて思ってしまった。
ずんずん
5.0
TSUTAYAで直感で借りてきた。 度肝を抜かれた。 こんなにも笑えてグロくてエロくて そして泣ける作品があるだろうか。 ただの狂気殺人者のさくひんとは違う。 しばらくはこのまま脳裏から離れない。
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