ザ・スクエア 思いやりの聖域
The Square
2017 · コメディ/ドラマ · スウェーデン, ドイツ, フランス, デンマーク
151分
©2017 Plattform Produktion AB / Société Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS



スウェーデン・ストックホルム。洗練されたファッションに身を包む、著名な現代アート美術館のキュレーター、クリスティアン(クレス・バング)は、周囲の尊敬を集め、そのキャリアは順風満帆。そんな彼は次の展覧会で「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示すると発表。それは、すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われるという“思いやりの聖域”をテーマにした参加型アートで、現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあった。そんななか、美術館の宣伝を担当する広告代理店は、お披露目間近の「ザ・スクエア」について、画期的なプロモーションを持ちかける。作品のコンセプトと真逆のメッセージを流し、故意に炎上させて情報を拡散させるという手法だった。その目論見は見事に成功するが、世間の怒りはクリスティアンの予想をはるかに超え、皮肉な事に「ザ・スクエア」は彼の社会的地位を脅かす存在となっていく……。
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Balloon Flowers
4.0
自然と傍観者になっている人々を嘲笑うような内容に見えて、実際は観客もじっくり考えなければいけない参加型の映画。 この世に正義や助け合いは必要であるけど、実際に正義を行う勇気はあるのだろうか?人を助けて何か得するのだろうか?と考えると、実行に移すほどの大きな意味があることには思えないのが普通だろう。「寛容な社会を作る」という誰も否定できない考えを持っていながら。 この映画では、世界で最も平等な社会と言われるスウェーデンを舞台に、そんな国ですら抱える貧富の差や個人の重要性と集団心理、メディアや芸術を描いている。 美術館のキュレーターである主人公は、前述した「寛容な社会を作る」というテーマのアート「ザ・スクエア」を展示会で発表するが、皮肉なことにそのアートのPRの失敗によって、彼は世間の非難の的になりその地位を脅かされることになる。 この物語はバイスタンダー効果からインスピレーションを受けていて、監督の友人の実体験をもとにしたオープニングのスリのシーンや、終盤の謎のモンキーマンのシーンに顕著に現れている。 モンキーマンのシーンでは、最初モンキーマンをただのパフォーマンスだと思っていた人たちが、それが自分を脅かす存在だと気づいた時に、皆「自分を選ぶな。他人を選べ」と考える。これこそまさにバイスタンダー効果である。他にも、大袈裟過ぎるほどに見て見ぬ振りが強調されているシーンが多々ある。(因みに、モンキーマンのエピソードも実際の出来事をもとにしている。演じているテリーノタリーはキングコングなどを演じたパフォーマーなので、あんなリアルなのも納得) そして、この映画は社会的なコミュニティについても言及している。途中、主人公が娘たちに「昔は大人たちの間で信頼関係があり、自分の子供を一人で外に送り出す事は容易だったが、今は他人をまず不審者として見てしまう」と語るシーンがあるが、その前の娘たちの登場シーンで、主人公は娘の姿を見るまでは家の外でする声に怯えていた。何とも皮肉な事である。 現在は、個人の思いやりではなく社会による支えが主流となっている。度々登場するホームレスを始めとして、この映画の様々な要素がその象徴となり、問題提起となっている。“思いやりの聖域”はまさに今必要なものなのだ。 観た後には誰かと語り合いたくなる、衝(笑)撃的な問題作。上手い事は書けないけど、兎に角必見の作品。
みゆ
3.5
限りなく『フレンチアルプスでおきたこと』ぽくて苦行してるような気持ちにさせる映画だと思ったら…同じ監督さんだったとは!笑 今作も私には拾いきれないような社会へのメッセージてんこ盛り映画なのでしょうけど、とにかく全ての出来事や主人公のとる言動にいたたまれない気持ちにさせられて辛い(ノД`) なのに癖になるような、 中毒性の高い作品で、これまた忘れられない一品となりました。
そう
4.0
階段を上るシーンなど所々にスクエアがでてきたり、円卓の上で芸術家が暴走したりと、四角と丸が対になっている。 丸い地球の上にいる我々は誰も純然たる思いやりは持つことはできない。ある一定の条件下である(四角く)切り取ったワンシーンでしか思いやりをもてないのか… 決してシリアスな話ではないのに色々と考えさせられた映画でした。 あと、要所要所で突然鳴る電話、赤ちゃんの泣き声など、シュールな感じが好き。何をテーマにしてるのか理解し難いことの多い現代芸術が物語の中心にあるというのもシュールさに深みを出している。 個人的には期待度が高すぎたので5点ではなく4点。
星ゆたか
3.0
2025.2.1 リューベン·オストルンド監督(74年スウェーデン出身)の作品は。 先日「逆転のトライアングル」(22)を見たばかりだったのだが。 本作も同監督作品で同じようにカンヌ映画祭でパルムドール受賞とは鑑賞後知る。 どうりで彼のユーモア感覚はどうも私好みでない。 一例をあげれば。 「逆転の…」あのファッションモデル男女コンビの“食事支払いを廻って主張会話のしつこさ”を。 本作では性行為後のコンドームを男女のどちらが捨てるかを、しまいには“引っ張りあって”まで見せるしつこさは。 『どうでもイイ感覚』で!?。 更に、こういう相手とはあまり関わりあいたくないと考えず。 本作では女の方が男の職場まで訪れ。 “関係性の確認”するまでのしつこさである。 こう言う嗜好性レベルは、どういう食生活から。 あるいは民族的?教育的?からくる性格、言動?と首をかしげる。 前ぶりが長くなったが。 私の好みはそうであっても、だからといって勿論どうでもいい映画ではない。一考に値する作品である事に間違いない。 本作は、ある現代モダンアート美術館のキュレーターを主人公にした。 新作展示❲地面に正方形を描いたザ·スクエア❳を廻り。 PR動画炎上拡散騒動によって職を辞す顛末になる諷刺喜劇である。 ❲ザ·スクエア❳には『すべての人が平等の権利を持ち公平に扱われる』と言うサブタイトルが付く。 だから『その領域にいる人が困っていたら貴方は助けなければいけない』となる。 そこにある主旨には。 キュレーターの祖父が子供の頃の時代には。互いに人々は信頼を寄せていて。 『何かあった時の為に住所の書かれたタグを首にぶら下げて遊んだものだったが』 『今日では人を見たら不審者ではないかと疑惑の目を向ける』からだとある。 本作では主人公が街頭で。 狂ったように『助けを求める娘』に、驚いていると。 たまたま側にいた男に声をかけられて(これは仲間?)対処している間に財布と携帯をスラレル展開から、その対処として警察に通報するでなく。 携帯のGPS機能を使い、スリの住みかを断定した。 そして美術館スタッフの助言で。 住人全員に『すぐさま携帯と財布を返せ!そうでなければ』という脅迫状を。 一軒一軒ドアの郵便受けに差し入れする計画を実施した。 (ここでも案を考えた人間と、それを実行する人間との区別との念入りの描写があって。) その結果驚いた事に無事お金もそのまんま戻ってきた。 ただその後1人の少年からシツコク。負の反応として。 『あんたの脅迫状のせいで僕は両親から泥棒扱いされ困っている謝れ!』と再三騒がれ。 しまいには住居まで押し掛け来るではないか。 主人公は反省し改心して少年の所へ訪れるが、引っ越ししたという結末に。 更に前記した世間からの思わぬ反応バッシング!。 財布と携帯が盗まれた段階で警察に通報しないのか? という疑問はずっとあって。 更にもう一つ強烈な場面で。 美術館の展示作品の一つで。 『怒るモンキー人間』があり。 そのデモンストレーション展示の一環として。 あるパーティー会場のこの男の“出張”場面がある。 そこではテーブル事にその上半身裸のモンキー風動きの男が客に無言で絡んでゆく。 パーティー会場の客も最初は大人のユーモアを分かる度量で接していたが。 その度を過ぎた触れ方に耐え切れず退所してしまう者も出て。 そしてある若い女性に対してのセクハラまがりの迫り方には恐怖を感じ、女は助けの悲鳴!をあげる。 しかし会場全体の出席者が凍りついて黙認している。 ここで主宰者のあの代表のキュレーターも一歩も一言も反応しないオカシサ⁉️はどうだ。 この展開は所謂《傍観者効果》(バイスタンダー)の描写だからだ。 それは社会心理用語で。 『他人が助けを求めている時自分以外に傍観者がいる場合率先して行動を起こさない』事を言うらしい。 だからあえて主宰者も動かないし。 普通なら何かあった時の為に警備会社と契約するだろうにそれもないし。その人間もいない。 しかし映画ではここで、1人のそのモンキー人間を取り押さえようとする人間がようやくでたら。 堰を切ったように、次々に男どもが(年配客)握り拳を掲げて殴りかかる映像の終焉である。 (その後どうなったかは描かない。) 監督は今から7·8年前に既にある危惧を語っている。 『人間はハプニングに見舞われた時に、秩序だった世界を逸脱するような、隠された野生が不意に顔を覗かせる』 そして同時に『世間の注目を集める為に物議を醸し出す意図的な過激な動画を発信拡散させる』スウェーデンの実態を明らかにして。 だから『映像は最も強力な表現手段であると同時に最も危険なもの。この映画をきっかけに友人達と様々な議論をしてほしい』と語っている。 まさに日本でもニュース等で選挙の時のSNS世界の影響の大きさを実感している世相状況で。 自分の好み以上に。 改めて本作に込められた意義の重さを感じる次第だ。
wishgiver
3.5
『フレンチアルプスで起きたこと』でこの監督のファンになり、『逆転のトライアングル』がめちゃくちゃツボだったので、以前途中で寝てしまった本作に再チャレンジ! いや〜今回も気まずさがすごい!! 3作品とも上流階級の人たちの無力さを容赦なく描いてますが、本作が一番強烈かも。 中でも猿男のシーンは稀に見る気まずさレベル。 そしてクリスティアンに謝罪を要求するガキんちょが最高です。 本作は全体的にテンポがちょっと悪い気もしますが、伏線の張り方も回収も完璧だし、作品のプロットは実に見事で、『逆転のトライアングル』では加えて脚本の精度が上がってる感じ。 どの作品にも出てくる気まずエピソードも毎度毎度素晴らしいし、ストーリーの中にそれらを組み込む手腕もすごい。 めちゃくちゃインパクトのある作品、面白かった! 2023.3.8@Amazonプライム
ハナ
3.0
人間の矛盾をすごく皮肉ってる。尺がちょっと長すぎるけど、言動の伴う行動が何故できないっていう都合良く生きてる現状が大変醜く描かれてる。とてもスウェーデンらしいズバッと物事言う映画でした。スウェーデン映画って感情の激しくない韓国映画って感じで楽しい。
naho
4.5
個人的には大好きな作品だけど感想を上手く言語化できない。 猿男のところ本当に人間の本質っぽくて怖いけど上手いなぁと感心した。 「助けて」と声を上げていてもほとんどの人は厄介だと下を向く。けれど一人が立ち向かえば今度は大勢で「殺せ」と襲いかかる。 不思議と引き込まれ、考えさせられる。 こういう作品は何度観ても面白い。
Jenny
3.0
本当に絶妙に不快な気持ちになる映画。 途中何回かに渡って出てくるサル男やチンパンジーは"現代美術なんてサルでも描ける"を皮肉を込めて表現しているそうですが、、。 監督のインタビューとか過去作をじっくり考察して初めて理解出来る類の映画ですね。正直わたしにはあまりよく分からなかったので残念ですが、ただエリザベス・モス演じるアンとのやり取りは結構好きです。 このシーンで、監督はクリスティアン役のクレス・バングには“君は絶対にコンドームを渡さない”と伝えて、アン役のエリザベス・モスには“絶対にコンドームを奪う”と告げて撮影したそうで、なるほどな〜という仕上がりになっています。結局のところ、あんまり後に残るものは無かったかも。
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