イタリア最南端、北アフリカにもっとも近いヨーロッパ領の小さな島、ランペドゥーサ島。ここで暮らす12歳の少年サムエレは、友だちと手作りのパチンコで遊ぶのが大好きな普通の子どもだ。そして島の人々もまたどこにでもある日々を生きている。だがこの島にはもうひとつの顔がある。この数十年間、アフリカや中東から船でやってくる移民や難民にとって、ランペドゥーサ島はヨーロッパの玄関口であった。平和と自由で幸せな暮らしを求め、命がけで海を渡る人々。しかしその過程で多くの人が命を落とす。日々この人道危機を目の当たりにしてきた島の日常にカメラは静かに寄り添う……。