
星ゆたか

창가에서
평균 3.6
2023.10.30 毎年秋に実施される東京国際映画祭の。 2022年観客賞受賞の愛すべき今泉力哉(81年生まれ)監督作品。 主に3組の男女の、“愛”の一筋縄にいかない関係を淡々と切々とそしてユーモラスに描いた。 主演の稲垣吾郎(73年生まれ)さんへの宛がき、今泉監督オリジナルストーリー。 彼演じる主人公が妻の不倫に動揺しない自分にショックを受け悩む姿は。 かつて監督自身が感じた感情で。 『妻がもし不倫しても怒りが湧かなかったら、彼女の事が好きじゃないのからなのか?』 『そしたらそんな自分が一緒にいるより、彼女の事をもっと愛してくれる人と過ごす人生の方が幸せなのかも…』 と思った事があったそうだ。 その後その気持ちは『感情がぶれにくい事は悪い事でなく。人の気持ちを考えられる長所でもあると思っている』という。 物語はフリーライターの市川茂巳・沙衣夫妻。 スポーツ選手の有坂まさと・ゆきの夫妻。 女子高生作家の久保留亜・恋人優二。 という3組の男女関係を軸に進められていく。 主人公の茂巳はかつて一作だけ小説を書き、期待の新人とされたが。 雑誌社の編集員の沙衣との結婚後は小説は書かず仕舞いにいる。 妻は新進若手人気作家の担当で。 何とか本人の望むような小説を書き続けて欲しいとの一念で。 その青年作家の彼女への恋愛感情を受け、いつの間にか不倫関係になっていた。 また茂巳の昔からの年下の友人でスポーツ選手の有坂は。 そろそろ選手寿命に差し掛かり悩み、妻子がいるにもかかわらずある女性と不倫関係にある。 この市川夫妻と有坂夫妻のそれぞれの不倫関係の現状に。 市川夫妻は夫が、有坂夫妻は妻が。 パートナーの不倫に気づいていて。 しかし双方の不倫をしている当人は、気づかれてないと思っている。 そしてお互いの相手がそれぞれ真剣に当人達を愛しているというのも共通。 だから別れを言い出すのはどちらも相手側から。不倫の当人達は別れを言い出されなければ、このままこの関係を手放したくないと思っている。 ただ妻の不倫に何の感情が湧かない事で悩む夫と。 夫の不倫に悲しくて何とか止めて戻ってきて欲しいと願う妻と。 受け止め方が違うのだ。 また、まだ若い女子高生作家の留亜と優二の関係は。 些細な誤解でくっついたり、ハナレタリしている。彼女が賞を受け急に有名人になって、周りが騒がしくなり、ちょっと困っているのが、彼の本音だ。 ここでいかにも“吾郎ちゃん”らしい感性の主人公は。 この友人夫妻とも、若いカップルとも。 飄々と言葉少なく付き合い、時折意見を求められては応えるといった様子が。 あたかもこの作品のタイトルの“窓辺にて”に射し注ぐ、淡い温かな光と同調し、なんとも心地好い。 作品のテーマである。 『手放すこと』と『手に入れること』 3組ともそれぞれが相手の愛を“手に入れよう”として。 時に〈裏切り・不倫〉の代償として 持っている《愛の形》を“手放すこと”に。 そのタイミングによって様々な愛の形の展開になる。 映画はそういった男女の愛の形を描く為に、用意された愛すべき要素がタップリ盛り込まれていて。 その辺が映画祭の〔観客賞〕所以だろう。 女子高生とおじさん(市川)の美味しそうに食べるフルーツパフェ。 このパフェの語源はフランス語のパルフェ。「完璧な、完全な(デザート)」 つまり〈パーフェクト〉であり、ビジュアルと合わせることで、温かみもありつつ、一筋縄ではいかない恋愛映画を上手く表現しているとの事。 タクシーの運転手(タッちゃん)に主人公が同乗した時に、話しかけられる。 『競馬とパチンコ』の話は傑作❗。 馬肉や馬さしを食べるのは好きだけど。 馬🐴が走らされる姿は、自分のタクシーを走らされる姿にダブリ可哀想だから、止めたと。 パチンコは同時に金と時間を失う、とても贅沢な遊びでと語られたのでこの後主人公は人生初の挑戦。 ところが初めてパチンコをして、まさかの大当たり。隣の若い女性客に十箱近くの当たり玉を、急に女子高生にケータイで呼び出されたものだから。 “あげます”と言って去ろうとすると、店の外まで追いかけて来て。 『今二万円しか持ち合わせがない』と。断るも『駄目です!』と無理に握らせられる。こんな何気ないトッポイ描写が とても愉快だ‼️ その他別れ話の時に、米津玄師の♪レモン♪が流れていたとする、女子高生と主人公との会話の中で披露される逸話も面白い。 ちなみに今泉監督の場合ポルノグラフィティの♪アポロ♪だったそう。 そして今回の映画を見終わって感じた事は。 この主人公が妻の不倫に何の感情も湧かなかったのは。 多分彼が生活の為にもの書きの仕事はしていても。 真に心の奥底から生み出す言葉を構築してこなかったからで。 この主人公の使命である、人の心を動きつむぎ出し、かつ人の役にたつ仕事。 例えば小説を書くという中で発揮できていたら、また別の妻への対応が成されていた可能性はある。 だから今回、妻との避けていた本音の会話が出来、そして友人の奥さんとの女の、妻の立場としての会話も出来。 あるいは女子高生との会話などからも刺激された事もあり。 新たな主人公の生き方が生まれる予感を感じた幕切れだ。その上で。 人は理解した気になって裏切られ。 理解した気になって、期待されたことを裏切ってしまう。 それでも『人と人とは“信頼”でしか繋がれないから、理解し信じる事が大切なのだ』とのメッセージがやはり嬉しい😃✨映画でした。