
星ゆたか

드림랜드
평균 2.9
2022.9.15 マーゴット・ロビー(1990年7月2日生まれ) 「アイ・トーニャ」(17)アメリカ・フィギュアスケート界の内幕物映画から注目し始めた女優さん。 本作では製作・主演。共演の青年役を演じたフィン・コールは、若かりし頃のクリスチャン・スレーターを彷彿させた。 1930年代半ばのテキサス。銀行強盗で警察に追われ逃亡中、相棒と共に死傷。一人大怪我で逃走手配中のアリソンを演じたのが M・ロビー。 逃げこんだ寂れた農場の納屋で、17歳のユージンに匿われる。彼は幼い頃父親に見捨てられ、再婚した義父とはあまりうまくいってない。 『ビリーザキットは若くして死んだが、人に求められ続けるヒーローよ』と話す彼女に惹かれもする。 映画は再婚して生まれた妹(五歳位)が、20年後に回想する(声・ナレーション)形で進められていく。 途中実際あったらしい大砂嵐の自然描写。そのため長く干害で農作物を育てられず、当地を見切って出て行くユージンの親友の声などもある。 『メキシコで会おう』がこの頃の合言葉!それは現実の苦しみからの解放。《ドリームランド》を夢見ての希望の土地だったのであろう。 納屋で幾分アリソンの怪我も癒え、2万ドルの懸賞金目当ての捜索も義父を中心に迫りきた現状から、隙を見て義父の農場トラックに乗ってユージンは彼女と逃走することに。実の父親がいると信じメキシコを目指す。 途中モーテルで宿泊する所での初体験など、30年代の田舎の少年の初々しさもある。 そして何より本作品の最大の注目点は、メキシコ入りのための金作りの銀行強盗の場面だ。 熟練の手筈のアリソンのリードに従い、ユージンは見よう見まねで拳銃を振り回し、声を荒立て銀行内の客や行員をへこませた。そこまでは順調。しかし抵抗しようと動き出した客を止めようと発砲したことで、人生初の“殺人”を仕出かしてしまったのだ。 そのショックたるもの!。 『早く車に乗って!逃げるのよ。』 のアリソンの声も耳に入らず。 フラフラと来た道を歩き、仕舞いには道端に“吐いてしまった”。 普通の人間が一人の人間の命を殺めてしまったことの衝撃の大きさを最近の映画では、初めて見たような気がする。 この《吐く》という人間の行為は、体を守るための《緊急避難の役割》の自然の働きで。〔毒〕や〔緊張〕などの肉体的・精神的の危険から《戦うより逃げる》ための自己防衛システムなんだという。 つまり本作品の中では、ユージンがアリソンの生きてきた《悪の道》の誘いからの、逃走の意味があるとの見方も出来るということだ。 映画娯楽的には一部モタモタして、格好良くスマートに進まぬ不満もあるかも知れない。 しかし普通私達は、現実の殺人を起こしてしまった人間と関わった時。 または自分がその殺人を起こしてしまった時の反応は、実際の所こうゆうものなのではないだろうか。しかもこの物語は、1935年のアメリカとはいえ、田舎の素朴な青年の日常に起きた異常な体験なのである。 情報過多な今日、映画にストレス解消を求める上では、何とも歯がゆい青年の行動に見えるかも知れないが。その辺を吟味して考えたい。 【ドリームランド】メキシコに夢を託し行った多くの人間のその後は果たしていかがなものだったのであろう。?