
北丸
펜스
평균 3.9
WOWOWオリジナルドラマのため、見られる人が少ないのが本当に残念だ。 録画してかなり遅れて視聴したが、間違いなく今作が「2023年1位」の作品と断言しても良い位の名作。地上波などで放映して広く見られるべき作品だと思う。 主人公は、二流、三流雑誌でキャバクラ体験記などを書く女性ライター。飲みっぷりの良い、所謂「男前」風の女性で、サバサバ(或いはずけずけ)と物を言うタイプ。雑誌編集長から普段の記事とは少し毛色の違う記事を書く事を依頼され、編集長の別荘(?)がある沖縄へと赴く。彼女が依頼されたのは、米兵に暴行された女性の申し立てが嘘か本当か調べるというようなことで……。 というところから始まり、全体を通してみるとミステリの趣があるし、そもそもミステリとしても面白い。主人公が事件に触れるにつれ、沖縄が置かれている現状が次第に明らかになり、事件の背景にある様々な事情が見え始めてくる。 米軍基地の問題、沖縄の貧困問題、家庭内暴力、女性の生きにくさ、たった5話の中に詰め込みすぎでは?と思うかもしれないが、これがかなり高いレベルできれいに織り込まれ、ストーリーに厚みを与えている。 主人公が「友人」となる女性がある意味でもう一人の主人公であり、二人は友情、シスターフッドで強く結ばれて行く過程も面白いし、もう一人の主人公が自らのルーツと向き合う様子もしっかりと描かれ、人種差別の問題まで織り込む手腕は本当にお見事としかいえない。 この物語に出てくる女性たちは皆何かに傷つきながら生きている。それはまるで沖縄が置かれている現状と対をなし、重たい「宿題」として提示される。 普通こういう物語は希望に満ちた終わり方をするものだろうが、脚本家も演出家もそういう風にはしなかった。そして、見るものに「これは沖縄の問題ではない」とはっきりと突きつける。沖縄の問題と書くことで(私も含め)どこか他人事のようにしてしまい、無関心の中に置かれることへの強い怒りが画面越しにひしひしと伝わってくる。そうだ。これは「沖縄の問題」ではなく「日本の問題」だ。沖縄は日本の問題を捨てるための「ゴミ箱」ではない。見なかったことにするための場所でもない。そこに生き、そこを愛する人が大勢いる、私たちが暮す本土と何ら変わりのない日本だ。 俳優さんたちは、それぞれの人物を生きる人になりきり、熱演されていた。警官の悔しさ、基地反対運動を牽引してきた老婆の悲しみ、米兵を愛しその子を生んだ女性たちの切なさ、傷、これを見る人が少ないことが本当に惜しい。背景美術も良い仕事をして、物語に説得力を与えていた。薄っぺらくならない画面に俳優たちの熱演とくれば、良いドラマにならないはずはなく、このレベルのドラマを地上波で放映できないのであれば、我が国のエンタメは完全に死んでいると暗澹たる気持ちになった。 可能な限り早い多企業での配信を望む。