
ジュネ

올 더 머니
평균 3.2
セクハラ疑惑によりケヴィン・スペイシーの出演シーンがカットされてしまい、代わりに10日ほどで撮影したクリストファー・プラマーを差し替えて急遽公開した本作。しかし、そんな急ごしらえを感じさせぬ出来映えに加えて、クリストファー・プラマー以外にジャン・ポール・ゲティにふさわしい俳優は存在しないと言って良いほどの存在感がビシビシと伝わってきます。 一方、予告編で母親vsゲティと謳われるほど二人の駆け引きは見られず、マーク・ウォルバーグ演ずる交渉人のチェイスも「彼あってこそ」の見せ場に欠けており、淡々と事実を述べられているだけの凡庸な話運びに退屈してしまうかもしれません。 ゲティは確かに強欲なじいさんですが、孫を14人も持ち世界の頂点に立つ金持ちとなれば人と考え方が違うのは当然ですし、幾度も裏切られたり騙されたりを繰り返してきたわけですから、極端な思考に陥っても仕方ない部分もあるでしょう。ゲティの考え方にさして反感を覚えなかった私はかなりフラットな見方になってしまって、盛り上がりに欠けるように感じられたのが残念です。 以下、ネタバレですが事実との相違を書き記しておきます。本作、事実をもとにしているとは言え、かなりフィクションの要素は強めだと思います。 ・ポール3世は誘拐されたときあちこちを転々とさせられ、洞窟に監禁されたこともあったそうです。 ・彼は犯人の顔を一度も見ていません。仲間が銃殺されるシーンも、遺体を確認するシーンも創作です。 ・彼が過去に学校に放火して退学になったというエピソードも作り話で、そのアイデアを活かして脱走する下りも脚色になります。 ・ポールの父親は本当にダメな人間で、息子が誘拐されても電話でゲイルと話すだけでした。おそらく後半の登場シーンは脚色です。 ・ゲティは孫とも疎遠で、劇中のように彼を後継者として懇意に扱っていたというのは事実ではないようです。 ・ゲイルはゲティと交渉するため電話を何度もしましたが、彼は電話に出ることすらしませんでした。ゲイルは実質、ほぼ会うことも話すこともできませんでした。 ・耳を切るシーンで医者が来ますが、これも演出です。 ・終盤でポールが逃げ出したのは事実ですが、その後の町中の下りは全て脚色で、本当は少し先のガソリンスタンドで保護されています。 ・ゲティが亡くなったのは誘拐事件から3年も経過した後です。