
Schindler's Memo

8일째 매미
평균 3.4
徹底した「女性映画」であると思う。 原作もそうだが、これだけはっきりフェミニズム、さらには「母性」というキーで統一されると、やはり圧倒的だと思った。 もちろん男性も出てくるが、主要な二人はいずれも同じ様にどうしようもない人間で、単に「生物学的な父」という価値しか与えられていない。 冒頭の宣戦布告のような裁判証言から、ラストに至るまで、ドラマの全てが女性の戦い、自立、成長を機軸としている。 原作は、誘拐を実行した「母」による逃避行を日記的に描いた第一部、誘拐された「娘」によるその逃避行の軌跡を追う第二部の、いわゆる二部構成。つまり、第一人称的な視点からスリリングな展開を示した後、俯瞰的にそれらのエピソードを説明するという、非常にしびれる構造で、まさにこれしかないという小説である。 本作は、井上真央演ずる「娘」の視点で全体が統一され、「母」の視点はフラッシュで挿入されるという、これまたまさに映画でしかできない技術でまとめ上げている。これが凄く効果的で、非常に解りやすい。 また、原作にない、非常に映画的な(映像的というか)ラスト、すなわち「写真」・・・が泣かせる。思わず涙する。 さらには、女優を見る映画でもある。主役二人はもちろんだが、般若のような気持ちになってしまう「実母」の森口瑤子、胡散臭い「教祖」の余貴美子、ソーメン屋の優しきおかみさんの風吹ジュンに至るまで、きめ細かい演技が光っている。 そして、何よりも、第三の主人公のような小池栄子・・・、ズケズケと人の生活に分け入るが、反面オドオドしているという分裂的気質と、それでもラストに向けて、この映画の主題である「母性」を醸し出すなど、プロフェッショナルな演技が素晴らしい。メジャーな最優秀助演賞に値すると思った。