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Till

Till

6 years ago

4.0


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천국과 지옥

영화 ・ 1963

평균 3.8

死が間近に迫った男が己の存在価値を見出だす骨太人間ドラマ『生きる』、野武士に立ち向かう侍や百姓の姿を描いた大スペクタクル時代劇『七人の侍』、さらには誘拐された少年の救出とその犯人を追跡するサスペンス映画の本作『天国と地獄』と様々なジャンルの作品をすべて高水準で生み出す黒澤明の多才ぶりには毎度毎度驚かされる。今回は、当人が言った通り徹底的に細部にこだわった推理映画で、なおかつ当時の誘拐罪に対する刑の軽さを批判しており、単なる誘拐映画に収まっていないのもさすが。前半は誘拐犯からの電話を元に少年の救出を試みる流れなのだが、その過程で、身代金を払って少年の命をとるか、身代金を払わずに会社の経営の実権をとるかの葛藤に悩まされる主人公権藤、自分の子の命が惜しいものの権藤に対する申し訳なさを感じずにはいられない複雑な状況に陥る青木、巧妙な手口で仕掛ける犯人を心の底から憎み権藤を救おうと奮闘する戸倉警部、など一つの誘拐事件を通して様々な人物の心情が揺れ動く人間ドラマも色濃く描かれている。後半に入ると、戸倉警部を中心に事件の捜査が行われるのだが、この捜査がホントにリアルで、誘拐された少年の証言や目撃情報、電話越しに聞こえる音などの数少ない手掛かりで徐々にアジトや共犯者などを割り当てていく様子が決して中弛みすることなく矢継ぎ早に展開される。本作はもちろん全編モノクロ映像なのだが、一瞬だけカラーになる場面があり、そこにも注目して見てほしい。 人間ドラマとサスペンス、この二つのジャンルが絶妙なバランスでマッチしており、今見ても色褪せない日本を代表する傑作サスペンス映画だと思う。