코멘트
『アウェイ・フロム・ハー』で深すぎるテーマを扱い、若き天才の名を欲しいままにしたサラ・ポーリーが、今度は一転、どこにでもいそうな主婦を主人公に、彼女の心揺れ動く様を完全オリジナル脚本で描いたドラマです。 マーゴはいつも『理由のない不安』に支配されており、二人の男性の間を行ったり来たり。自分で決断を下すことができません。これは彼女に限らず誰しもあることで、結局誰かに決めてもらったり、どちらを選んでも文句を垂れたりするものです。 ミシェル・ウィリアムズはそんなマーゴという女性を女優という鎧を脱ぎ捨てて見事に演じきっています。少々締まらないボディをさらして風呂に入るところから用を足す品のないシーンまで、全てを見せつける。そして夫やダニエルと交わす会話の一つ一つがいちいちグサッと来るのですが、サラ・ポーリー監督の繊細な演出の積み重ねが本当に素晴らしいです。 また、監督は最後の最後まで決して手を緩めずマーゴの決断がもたらす結果を描ききります。マーゴの義理の姉が投げかけるセリフが全てを象徴していて、何だか身につまされる思いがしました。不倫報道で下らない記者会見をしているバカセレブ共は、みんな事を起こす前にこの映画を見るべきですね。
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