
星ゆたか

반교: 디텐션
평균 3.1
2022.11.19 1962年台湾では蒋介石率いる国民党の独裁政権下、市民に相互監視と密告が強制されていた。 この暗黒の歴史を、より広い世界の人々に、さらに幅広い年代に知らしめるためにも。 台湾のヒットゲーム(2017年の〈返校〉)の実写映画化は意義深く成功していると思った。 監督ジョン・スーさんは1981年台湾出身。 『共産党のスパイの告発は国民の義務、共産党の手先を隠せば同罪となる。集会と結社を厳禁、扇動する者を取り締まり、国家転覆を謀る者は死刑に処す。』 その頃日本は昭和37年、2年後に控えた東京オリンピックに向けての準備に、清潔な都市作りに関心を高めていたとした。東京の人口が1000万人を越えたとも。 映画の世界では「天国と地獄」(黒澤明監督)「五番町夕霧楼」(田坂具隆監督)「にっぽん昆虫記」(今村昌平監督) 「アラビアのロレンス」(デイヴィッド・リーン監督)「鳥」(アルフレッド・ヒッチコック監督)「奇跡の人」(アーサー・ペン監督)などが人気。 歌謡曲の「いつでも夢を」(橋幸夫・吉永小百合*歌唱)がレコード大賞を受賞した年であった。 スポーツの世界では野球の王貞治選手が一本足打法で登場、38本の本塁打王に輝いた明るいニュースも。 世界の報道では〈キューバ危機問題〉 日ソ核戦争勃発か?の衝撃が大きい。 さてこの映画では翠華(ツイホワ)高校に通う女子生徒ファンと、密かに彼女を慕う男子ウェイとが、《悪夢》の世界で翻弄される様子が中心に描かれる。 政府による迫害事件と、その原因を作った密告者の悲しい真相にたどり着くまでを、日本の大林信彦監督ワールドの如く、ケンランビビットな映像で繰り広げられた。またキャラクターの造形美ではギレルモ・デル・トロ監督やピーター・ジャクソン監督などの影響もか? 一つ一つの映像の積み重ねが、大変凝ってスピーディなので、時に悲惨で怖い内容ではあるが、これは手元に置いて何回か繰り返し見て、確認したい映画かも。 それは映像の中に、同じように語られる《発禁図書》と言われた文学の美しく強い言葉を味わう意味においてでもある。 タゴールというインドの詩人で植民地主義を批判した思想家の言葉もその一つ。 『人間は生まれつき自由であるべきだ!。』