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히든 라이프
평균 3.4
原題は「A Hidden Life」ですが、邦題の通りまさに「名もなき生涯」を描いた作品でした。 テレンス・マリック監督作品はあまり相性も良くないし、3時間の長編なので覚悟を持って鑑賞。 以前の作品よりは優れていたし、ラストまで一気に観られたのは収穫です。 舞台は第2次世界大戦時のオーストリア。 美しい農村地帯の村に暮らすフランツ(アウグスト・ディール)は妻サシャ(ヴァレリー・パフナー)と3人の娘と暮らしていた。 ドイツに併合されたオーストリアでも次々と召集令状が届き、ヒトラーに忠誠を誓えないフランツは苦悩する…そんな実話のストーリーです。 何と言ってもテレンス・マリックらしい美しい景色や生き物、壮大な自然に圧倒される映像は文句無しに素晴らしかった。 農地で作物を育て収穫し、家畜の世話に明け暮れる夫婦が手を取り合うように幸せに子育てもする…そんな日々の暮らしは見ているだけで引き込まれました。 (羊の毛を刈り毛糸にして妻は子ども達のセーターを編み、着ている姿にも注目しました) そんな平和な農村地帯にも不穏な空気と共に戦争が近づいてきます。 兵役を拒否したいフランツは村の牧師や司教に相談するも答えは見つからず。 村長や村の住民にも「兵役拒否は銃殺刑だ、絞首刑だ」と言われ孤立するフランツと家族達。 その後、礼状が届きエンス基地からベルリンの拘置所に入れられ、脅しや拷問を受ける。 フランツの一貫とした「罪なき人を殺せない」の信念は最後まで揺るがず、周りの聖職者がナチスドイツの言いなりになる中…(まぁ戦時中だからそうなるのだが)、神は何にも答えてくれないのに神を信じる姿は人間離れしているように思えた。 そして農村で暮らす妻は村八分に耐える日々なのに最後の最後まで夫を理解して愛する姿が堪らなかった。 機械もない時代に村が総出で行う農作業も拒まれる中、妻は寄り添ってくれる姉や子ども達、義母とひたすらフランツの無事を祈っていたのに…。 エピローグに語られた言葉… 「名もなき人の歴史に残らない行為が世の中の善を作り上げていく」云々、とても心に残る一文でした。 「誓いは口先だけでいい、署名さえすれば釈放される」周りに何度も言われたフランツの決断に最後は圧倒されるしかない。 こんなに重い「ハイル、ヒトラー!」はない。 台詞がドイツ語じゃなく英語だった意図はわからない。 俳優フランツ・ロゴフスキやマティアス・スーナールツ、そして亡くなったブルーノ・ガンツが登場するもシーンは長くない。 あくまでも農村地帯の名もなき夫婦フランツとサシャを演じた2人の存在が光る、そんな静かな反戦映画でした。