
dreamer

해리의 소동
평균 3.2
この映画「ハリーの災難」は、"サスペンス・スリラーの神様"アルフレッド・ヒッチコック監督の趣味というか、悪い冗談が最も色濃く発揮された、ブラック・ユーモア調で綴られる、間違えられた男の物語だ。 死体という"御馳走"を前にして、舌なめずりしているヒッチコック監督の姿が目に浮かぶようです。 ヴァーモントの紅葉した森に、ハリーという名の男の死体が転がっている。 兎を撃ちに来た老人(エドモンド・グウェン)は、誤って自分が殺してしまったものと思い込む。 次にオールド・ミス(ミルドレッド・ナトウィック)は、その男に襲われそうになった時、靴のかかとで殴ったのが死因だろうと考えてしまう。 そして、愛想をつかして夫のもとから逃げて来たハリーの妻(シャーリー・マクレーン)は、突然現れた夫の頭を牛乳ビンで殴ったので、それがもとで死んだのだろうと思ってしまう。 こうして、間違いが交差して、憐れにもハリーの死体は埋められたり、掘り出されたりという、"死体版・間違えられた男"をめぐる、奇妙な味のブラック・コメディになっているのだ。 そこでは、"ハリーだった"男の死体が、まずもって、もの言わぬ主役であり、これを埋めたり、掘り返したり、あちこち動かしたり、裸にしたりと、すったもんだしたあげくに、元の場所に戻される一日の"空騒ぎ"が描かれるのです。 よくよく考えてみると、死体を冗談のネタにするなんて、何とも悪趣味としか言いようがありません。 でも、こうアッケラカンとやられると、我々観る者も、いつの間にかクスクス笑いを浮かべていたりして----、そんなところにヒッチコック監督の"悪趣味の洗練された上品さ"があると思うのです。 不思議の国のアリスは、時計を持った兎に導かれて、不思議の国へ行くことになりますが、中年男のハリーもまた、兎によってとんでもない不思議の村に入り込み、一日の大旅行を"寝たまま"することになってしまうのです。 美しい田舎の、のんびりした風景の中に、長々と寝そべったハリー、それは死体というにはあまりに心地よげで、死は永遠の眠りというのにふさわしいように見えてきます。 ともかく、ヒッチコック監督は間違いや偶然から生じる混乱を、まず設定しておいて、それから映画ならではのサスペンスと冒険の世界へと、我々観る者を引きずり込んでいく名人だったのです。