
kom
9 months ago

노벰버
평균 3.4
なんだこれ。ものすごく変な映画。白黒映像なのにめちゃくちゃファンタジックで、おしゃれで、シュールで、不気味で、汚らわしくて、綺麗。北欧の低い温度感と、呪術的な古い因習と魔術に囚われる村人たちと、叶わない恋。もうこれは映画とかじゃなくて、アート作品だと思う。凄い。 使い魔である"クラット"が描かれる冒頭のシークエンスがあまりにシュールで秀逸。口がポカンと空いてしまった。映画開始直後にあんなに置いていかれることはそうそうない。最高の導入。そこから「死者が帰ってくる行事」的な話になったので「ふーん」と思っていたら、本当に死者たちが普通に帰ってきていて笑ってしまった。日本のお盆的な、そういう弔いの行事じゃないんだ。帰ってきたおじいちゃんにいちいち「私の宝は無事か」とか聞かれんの嫌だなあ。 ただ、ストーリーにあまりについていけなかったのが本当に残念だった。雰囲気を出すためだろうが、とにかくテンポが悪すぎる。たぶん3倍速とかで観たらちょうど良いくらい。そして白黒のせいもあり、村人たちの区別がつきにくい。それなりの数の登場人物が出てくるのだが、各キャラクターの関係性や行動の動機がいまいちわからないまま全てのシーンが進行していくため、ただでさえこの独特な世界観についていけないところをもってして、いよいよ置いてきぼりをくらい続けることになる。メインストーリーとなるはずの主人公の片想いも「え?何その展開?」「え?それで終わり?」という感じで、かなり拍子抜け。結局延々と何を観せられたんだろうの気持ち。 ただ雰囲気は本当に抜群なので、そういう意味では一見の価値はある映画。最初の30分くらいだけ見ればいいんじゃないかな。