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星ゆたか

星ゆたか

1 year ago

4.0


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영화 ・ 1951

평균 3.6

2024.9.28 戦争を挟んで映画監督としてスランプに陥っていた成瀬巳喜男が立派に“復調”したと謂われた作品だ。 林芙美子が[朝日新聞]連載中に急死し、未完に終わった原作(映画化権利取得後)を。 田中澄江と井手俊郎が脚色。 結末は興業性を考えた上での考案。 【小市民の何気ない日常の幸せ】を。 主人公夫婦以外の人物表現まで的確に。 客観的な観察リアリズムで、けして抒情に流されず描いている。 この年「麦秋」(小津安二郎監督)と映画賞を分け合った。 それは、主演女優(原節子)助演女優(杉村春子)撮影(玉井正夫)美術(中古智)などである。 この中で原節子と杉村春子は両作で好演している。 物語は結婚7年目の倦怠期を迎えた夫婦(上原謙·原節子)が、それをどう乗り越えてゆくかを描いたものである。 大阪の外れ天神森横町の長屋に住む初之輔·三千代夫妻。 小さな証券屋に勤める夫の給料は安く。 毎月のやりくりに終われていて、更に会話も少ない夫に不満を重ねている。 子供はないが、同窓生の女友達の集まりにも『一番幸せ』と茶かされる。 ただ集まった皆、和服なのに、自分は着ていく着物もなく。 新婚時代の洋服を“気兼ねない会話”で言い訳しながら着ている…。 そんな所へ東京から初之輔の姪が“衝動的家出”でやってきた。感情の赴くまま。 どうも父親(山村総)の連れ子で。 再婚した継母(長岡輝子)に難しいと言われる位だから、どうも甘やかされ育っているようだ。 演じるのは役柄同年齢(二十歳)の島崎雪子。 何でもこの作品の前に初主演映画が決まっていた所。 役者が変わるという話に感情を乱し、失踪事件をお越したらしい。 結局そちらは主演を果たしたが。 『覇気に満ちた情熱的新人』というレッテルを貼られたとの事。 『コケテッシュで男を虜にし、器用に世の中を渡りきっていく“タイプ』だ。 後に彼女は三千代に連れそられ実家へ戻るが。 今度は三千代の川崎の実家へ泊まりに来て。 そこの妹婿(小林桂樹)に。 『感情をベタつかせ、人を無意識に迷惑をかける人間は大嫌い』と言われ膨らつらだし。 ただ家に戻り父親(山村総)の説教を聞きながら。 ふと顔を背け、生あくびをするこの娘は相当なもんだ。 成瀬映画の見事な人物視点。 三千代はこの姪の来訪をきっかけに夫妻人生を思い返す為に。 生家へ戻り。 その日は朝から晩まで起こされないと熟睡している有り様で。 実母(杉村春子)からは『結婚した女は気疲れでじっくり眠りたいものさ』と慰められる。 ただ三千代は、自分達が子供も義理の父母も(中には小姑も)いない夫婦で。 この有り様(不満を抱く)という事は。 街頭で再会した同窓生(中北千枝子)が。 終戦になっても戻らない夫を待って。 幼い男の子を連れて懸命に路上で販売仕事をしている姿に心うたれ。 自分の悩みが贅沢であると恥ずかしくなり。 出張のついでに寄った夫と共に大阪へ戻る事に落ち着く。 物語には三千代のいとこで銀行員(二本柳寛)に心配され。 『三千代はこういう男と結婚すれば良かった!?じゃ』 と思わせる所があるが。 同年「麦秋」では原節子と二本柳寛は最後に結ばれる関係を演じているのも面白い あっそう、この時「麦秋」の二本柳寛の母親役が杉村春子で。 あの小津調と呼ばれる俳優の感情を形式的にあえて不自然にした周りの役者の演技の中で。 彼女の自然の演技(これも小津さんの中では“演じ過ぎない”レベルを選らばれた)がとても良かった。 この辺りは。成瀬映画のヒロイン、高峰秀子さんが。 戦前杉村春子の「小島の春」(豊田四郎:1940年)の演技に心の底から感銘した話がだぶる。 結果的にこの映画はやや不振であった東宝映画の興業成績を上げ。 これでようやく『東宝も“めし”が食えるようになった』と関係者を喜ばせたとか。