Plan 75
PLAN 75
2022 · Drama/SF · Japan, France, Philippines, Qatar
1h 45m
(C)2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee



Japan of the near future –– Government program Plan 75 encourages senior citizens to be voluntarily euthanized in order to remedy a super-aged society. An elderly woman whose means of survival are vanishing, a pragmatic Plan 75 salesman, and a young Filipino laborer faces choices of life and death.
笑いと推理が交差する、時代ミステリー
「唐人街探偵1900」都度課金開始✨
笑いと推理が交差する、時代ミステリー
「唐人街探偵1900」都度課金開始✨
金木研
5.0
超高齢化社会に嫌気がさした若者による高齢者に向けたヘイトクライムの横行を問題視した政府が《PLAN 75》という75歳以上の高齢者に生死の選択権を与える制度を作った世界のお話。 高齢になり仕事を解雇され住む場所を失いかけている《PLAN 75》への申し込みを検討しているおばあちゃん、《PLAN 75》の申請窓口で働く20代の青年、《PLAN 75》を執行する施設で働く出稼ぎ外国人女性という3つの視点から紡がれる作品。 ありえない精度のリアリズム。リアリティの強度が高すぎて現実と見紛うほどに精緻に出来上がっている。そのリアリズムの一端を担うのは間違いなく現実世界と重なる現象の数々。 少子高齢化、出稼ぎ外国人、貧困、介護、何もかもが鮮烈かつ洗練されすぎていて正直自分には生々しさすら感じて目を覆いたくなる瞬間もあった。先に断っておくとこの作品は血や腸が飛び散るような話ではない。ひたすらに現実の苦い部分を抽出した濃度100%のリアル。それに自然と体が拒否反応を示していた。 超高齢化社会の賜物というべきか、最近は老老介護や、親の介護に嫌気がさした若者が高齢者を殺すという事件はもはやフィクションに限った話ではない。映画だから俯瞰で見ていられたけど、今やこの映画も他人事ではないと改めて実感させられた。 賛否は分かれているものの半ば受け入れムードが世論を占めているこの世界で果たして高齢者は生きることを選ぶのだろうか。人に生得的に備わった権利を手放す勇気、覚悟はあるのか、あるいはその選択肢すら残されていないのか。若者に負担をかけ続けるだけでただ生かされている高齢者はやはり早急に消えるべきなのか。さまざまな葛藤が克明に描写されていた。早川千絵監督の手腕に驚かされたとともに倍賞千恵子の貫禄を見せつけられて鳥肌が止まらなかった。普段は邦画に文句ばっか垂れているような自分ですら有無を言わさず正座で諭されたような気持ちになった。素晴らしかった。 何よりこの制度を取り巻くさまざまな側面が見えただけでなく、人間ドラマとして非常に見応えがあった。制度ができたことによって高齢者は自ずと生と死を強く意識することになるだろうし、その選択があることを良しとするか悪とするかは人それぞれにせよ、人間である以上人肌は恋しいし、生に縋りたくもなる。制度や政治は高齢者の味方をしても結局のところ人である以上人が欲するものの究極はぬくもりと愛情だ。しかしながら社会は例え高齢者であれ非情な選択を突きつける。高齢者のみならず若者にすら未来がないこの世界に光は刺すのか。 描写が細部まで凝っていてどれほど人間を観察して熟知していればこんな作品が作れるんだと畏怖すら覚えた。例えば爪を切ったあとに切った爪を植木鉢にやるような描写はとてもじゃないが若者の力だけで描けるものではない。そういう人間の細かい動きを詳細に追って吸収してきたからこそこういう作品が作れるのか。 早川千絵監督は今後も追っていきたい監督の一人になったことは言うまでもない。 間の使い方が完璧すぎる。余白の多い作品だが、それ以上に考えることも多く、きちんとその時間を与えてくれる作品だった。映像も洋画のような絵作りで、邦画もまだ捨てたもんじゃないと少し勇気と希望をもらえた。 全てが素晴らしかった。カンヌ国際映画祭でのカメラドール特別表彰も納得の出来。これが長編デビュー作とは今後が楽しみで仕方ない。全てに震えた。今を生きる全ての人に是非見てほしい。 余談だが、自分は公開日の午前中に見に行ったのだが10代と思しき人は自分一人でその他の客は少なくとも40代以上で大半が60代以上に見受けられた。曜日や時間帯からして高齢者が多いのは理解できるけれども、劇場の片隅にすら逃げ場のない現実の惨状を見せつけられて非常に複雑な気持ちになった。
コウキマン
4.0
2023.8.2.060.aik ネタバレあり 超高齢化が進む日本。若者の高齢者への不満は増しており、そんな中で高齢者を狙った凶悪犯罪が相次いでいた。そこで政府は、75歳になったら自ら死を選択できるサービス「PLAN75」を開始する。 孤独死するくらいならとサービスを利用する人もいれば、自ら死期を決められることを良しとして利用する人も。主人公のミチは、高齢を理由に退職を迫られ、次の職に就こうにも同じ理由でうまくいかない。世間から必要とされてないような疎外感は募り、ついに窓口を訪れる。 担当者の若者は優しく、定期の電話連絡ではいつもミチの話を聞いてくれる。一度わがままを言いプライベートで会うことにもなる。そしていよいよ明日に「その日」を迎えての最後の電話。泣ける。 また別の担当者は叔父がサービスを利用したいと申し出たため、その案内をすることになる。叔父とは疎遠で好きではない。しかし親族が自ら死を望み、残された時間を共有するうちに様々な思いが過っていく。 悲しみを煽るような過度な演出はなく、淡々としておりよかった。いろいろと考えさせられる映画でした。個人的には、貢献してきた国民に対し、自ら死を選ぶことを勧めるような国は、もうおしまい。政治家はそうならないよう仕事しましょう。 【余話として】 ・高齢者は老化により身体のあらゆる機能が低下してくるのは当然のこと。周りのサポートが必要になったとき「迷惑をかけて済まない」と考える方も多いだろう。周りもストレス溜まることもあるだろうが、本人たちもまた歯痒い思いをしていると思う。そういった生き抜いてきた方たちに対し、ちゃんと自分は敬意を払えてるだろうか?「歩けないから」「ボケてきてるから」と、知らず知らず失礼な態度をとり、自尊心を傷つける言動をしてないだろうか?とちょっと振り返ってみるいい機会になった。 ・直接この映画と関係はないけど、長谷川和夫さんの著書を読む気になった。彼は認知症の専門医だが、彼も認知症を発症。その症状の進行を記録したものらしい。
まじママんじ🍀
3.5
リアリティー有り過ぎて、自分の老後はどうなるのかなぁって怖くなった(*_*;最低限の動ける体&年金や貯金が何歳まで持つものか…、一人ぼっちの孤独や不安も合わせて限界が来たら私も申し込むかもしれないよ…でも75歳は早過ぎる😵💦ラストの夕陽の美しさが『生きろ!』って後押ししてるようで印象的でした🌇
邊見 猛
5.0
This may contain spoiler!!
てっぺい
◆トリビア 〇本作が生まれたきっかけは、16年に起きた相模原の障害者施設殺傷事件。(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20220615/med/00m/100/008000c) ◆関連作品 ○ 「十年 Ten Years Japan」('18) 是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画。本作はこの中の一編「PLAN75」を早川千絵が長編化したもの。配信情報なし。 〇「アーク」('21) 不老不死の技術が生まれた近未来の日本。倍賞千恵子出演。プライムビデオレンタル可。 ◆概要 日本・フランス・フィリピンの国際共同製作。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品、スペシャルメンション(新人監督賞にあたる)日本人監督初選出作品。 【監督・脚本】 早川千絵(本作で長編デビュー) 【出演】 倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美 【公開】2022年6月17日 【上映時間】112分 ◆ストーリー 少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。夫と死別し、ひとり静かに暮らす78歳の角谷ミチは、ホテルの客室清掃員として働いていたが、ある日突然、高齢を理由に解雇されてしまう。住む場所も失いそうになった彼女は、「プラン75」の申請を検討し始める。一方、市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロムや、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子らは、「プラン75」という制度の在り方に疑問を抱くようになる。 引用元 https://eiga.com/amp/movie/96517/ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/PLAN_75
りょう
4.0
最初から最後までずっとつらい…胸が痛い…なんだこの世界…。 ノンフィクションと思わせるようなリアリティのある設定で、観ていて苦しいです。 年寄り(75歳以上)の安楽死が合法化されて、「なんで金もないのに長生きしてんだよ」みたいな空気に国全体がなったら、そんなの悲しすぎる。 こういう考えの方は現実にもいそうだけど、本当にそれでいいのか?と考える一助にもなりそうな映画でした。 安楽死したい人の意思は尊重されてもいいとは思うけど、こういう形には落ち着いてほしくないなあ。。 サポート担当の女の子との最後のシーンが一番しんどかった…。 ラスト、ミチさんはどんな気持ちだったんだろう。 太陽と、ミチさんと、口ずさむ懐メロが美しかった。
なでかた
4.0
重苦しい現実味のある社会性だからこそ、胸にぐさーーーっと刺さりますね!
星ゆたか
3.0
2023.3.16 超高齢化&少子化社会の抱える歪みに着想を得た。 早川千絵監督(76年生まれ)、倍賞千恵子さん(41年生まれ)の主演による映画だ。 近未来の日本社会制度では。 75歳以上の高齢者は生活の困窮などの理由で自身の寿命を、自らの意思で決めて欲しいと政府が取り決めた。 役所仕事の一環で、生活保護の申請するコーナーと共に設置されている。 しかしどちらかというと【PRAN 75】を推奨する。 申し込み者には一律10万円が支給され。 原則として火葬代・合同埋骨無料。後の住居管理もやってくれるという。 また申し込みして途中で気が変わった場合、取り消しも試行前なら受けつける。 そのために試行日まで一週間に一度、電話で15分間の“お話し相手”(死にたくない気持ちを起こさせない取り組み)がなされる。 映画では倍賞さん演じるミチ・78歳は、それまでのホテルの清掃の仕事を解雇され、身内もなく新たに仕事も着けず仕方なく覚悟を決め、この制度を申し込む。 そして内密にお願いして、その電話担当者(若い女性)に一度だけ、思い出のボーリング場に一緒に行ってもらい、楽しい一時を過ごす。 けれど本当は、管理施行者と利用高齢者が直接相対すると“情が移る”という理由で禁止されているらしい。あくまでも電話応対だけがここでは基本。 ミチさんは10万円の使いみちもないからと高級お寿司をとって食べた後。この思い出作りにお金を使う。 映画の中では、主人公らの高齢システム利用者二名と、若い施行職員主に二名とが、私感情が入り込み“戸惑う”様子も描かれる。 前記のミチさんと担当者がその一つで。 あとは利用者が担当者(青年)の叔父さんだったので、いつものように業務的に済まされなくなったのが後者の例。 それとフィリッピンから単身出稼ぎに来ているマリアという女性も管理側の人間として描かれた。 彼女はそれまで老人介護施設で働いていたが、故国にいる幼い娘の心臓手術のお金のために、このシステム完了者の遺品整理の仕分けの仕事などを受け持つために転職して来た。 50代おぼしき男性と二人でその仕事を淡々とすすめる様子は。 あのホロコースト映画で描かれた、ナチ収容所の殺されたユダヤ人の金目の物を(時計や眼鏡や貴金属)分けている図を彷彿させる。 男性は平気で遺品の眼鏡と自分の掛けているのを取り換えるが、マリアは遺品の財布の紙幣に思わず手が止まる。 この映画で気になった所では。 国のこの法制度を発案し認めた政治家の年齢は、基本的には75歳前の自分とは無関係の人達だろうから。 そのシステム管理施行する仕事は国の財政のために必要不可欠と考え、何の疑問もためらいも感ぜず仕事としてこなしている。その中年世代の人達の所だ。 若い担当者が年配者に情を感じ戸惑うのとは大違いだ。 また一部には、そんな制度に切実に反発する庶民の、“正常な反抗無言行為”も描かられる。 ここは国のこの法律制度を取り決め施行する人達が、仮に75歳を過ぎても生活し続ける上で、貯金も保障もあり、金銭的には何の不安な問題もないからなのであろう。 だから人としての思考感情がマヒしているとしか思えない。 以前鑑賞した「ブレスしあわせの呼吸」(17)時のレビユーでも触れたが。 あの16年の障害者施設の介護士の殺人事件の、『役に立たない人間無用論』を再び考える。 何でも一人で出来る内は、他人の存在は時に、うっとうしいと感じるかも知れない。 しかし相手が自分を必要と考える時、人間関係が生まれる。 そして相手のために自分が生きた時、喜びと生き甲斐が生じる。 「ぼけますから、よろしくお願いします」(18年、22年)で100歳近くまで90過ぎのお母さんを世話したお父さん。 『若い人に甘えるのが社会参加』と言った。介護を上手く利用しつつの生き方の推奨。 お互いが出来る範囲の中で、相手を思いやる気持ちを生み出してくれるのが高齢者。 またその長い年月で経験した“知恵”を持っているのも高齢者。 核家族化で幼い頃から高齢者と共に暮らす経験のない人間が成長すると。 こういった「PRAN 75」のような発想が生まれるんでしょうね。 机上の数字論で、人間の良心を忘れた 取り決めを断行しようとする。 コロナ禍で一時見失いがちだった、暮れ盆や彼岸の墓参りなどの故郷への帰省。 祖父母と身内との送迎の美しい光景が、また甦ってきた。 監督は本作を『自己責任論が幅を利かせる社会で、弱い立場の人達がどんどん不寛容な状況になっている。そんな発想から生まれた物語です。』と言う。 映画の中で高齢者が、爪きりのクズを観葉植物に与えたり、玉子を冬の窓の外に置いてみたり。 まだまだ我々の知らない生活の知恵や、昔あった慣習の残していきたいこと。 また体験から語り引き継いでいきたい話など。 子供と高齢者の関係だけでなく、若者・中年世代との交流で互いに得るものは限りなくあると思う。 あの私にとっては「男はつらいよ」シリーズの“さくらさん”の姿が焼きついている倍賞千恵子さん。 本作は役柄的にちょっと寂しい。 あんなにオイチャン、オバチャンに優しく接して生きてきた女性が、年老いてこんな人生の終末を迎えて欲しくないという思いが、どこか心の隅にある。 また題材的にはその昔。 姨捨山(おばすてやま:信州に駅もある)に70になった年寄りは長男に背おられ、食いぶちを減らすために捨てられたという習慣の伝説があった。 「楢山節孝」という深沢七郎原作の小説(56年)が二度に渡り映画化された。58年の木下恵介監督。83年の今村昌平監督作品だ。 プラン75ではなくプラン95なら考えてもいいかなという声もあった。 安楽死や尊厳死という意味ならありか。 奇想天外な発想ということなら。 お金持ちの人なら宇宙飛行機で、 『天国行き』というのはどうだろうか? 片道飛行で行ったっきり。 廃船になる宇宙飛行機で37人位の人達(別にこの人数にこだわりはない)が、宇宙の果てに向かい旅立つ。 この世上からサヨナラする。 そして高い丘に築かれたメモリアル塔には、名前と出生と旅立ちの日が記録されていて………。 本人も関係者も納得の上でなら、まったくあり得ない話でもないような気がする。 宇宙飛行機で大気圏外空間を就航するデラックスチケットを、千数百万円支払い 取得する人達が実際いらっしゃるんだから。 でも問題は、老後資金のない高齢者に係る財政なんだから……。 このプラン駄目かぁ~っ。
Please log in to see more comments!