博士と狂人
The Professor and the Madman
2019 · 伝記/ミステリー/ドラマ/サスペンス · アメリカ, アイルランド, フランス, アイスランド, メキシコ, ベルギー, イギリス, 香港
124分
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19世紀。貧しい家庭に生まれ、独学で言語学博士となったジェームズ・マレー(メル・ギブソン)は、オックスフォード大学で英語辞典編纂計画の中心にいた。それは、シェイクスピアの時代まで遡り、すべての言葉を収録するという無謀ともいえるプロジェクトだったが、その道のりは困難を極めていた。そんななか、博士に大量の資料を送ってくる謎の協力者が現れる。その人物は、殺人を犯し精神病院に収監されていたアメリカ人の元軍医ウィリアム・チェスター・マイナー(ショーン・ペン)であった。辞典づくりという壮大なロマンを共有し、固い絆で結ばれていく異端の天才たち。だが、大英帝国の威信をかけた一大事業に犯罪者が協力していることが明るみになると、プロジェクトは暗礁に乗り上げ、ついには、時の内務大臣ウィンストン・チャーチルや王室をも巻き込んでいくことになる……。
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隣の唐十郎
4.0
メル・ギブソンは博士じゃない方だと思い込んでました。だってMADだから… でも頑固で無骨な学者はメルのイメージぴったりで、ショーン・ペンは繊細に狂人を演じてました。納得の配役です👍 片や博士号も無く独学で5カ国語を習得し、地質・地理・天文・歴史・考古学を身につけた知の巨人。 対して、元軍医で心を病んだ殺人犯。 自分自身を許せない罪人の苦しみが痛々しい。 孤高の学者と孤独な囚人の共通点は[明晰な知性] 辞書を作る仕事がこんなにも大変な作業だったとは…! 初歩の[引用を集める]だけで、気が遠くなりそう。 [言葉]って次々と新しく生まれ、意味も変わってくるんですね。 それを、全ての言葉を何世紀分もまとめようとしているんだから、想像を絶します。 対照的ながら[共通した魂]を持った二人の友情に感動。 [贖罪]や[多様性]という普遍的・現代的なテーマの感動作だったのです! 家族で観るべき!(無理か)
ジュネ
3.0
2020年164本目は、ショーン・ペンとメル・ギブソンが共演を果たしたドラマ、『博士と狂人』。 ------------------------------------------------------------ メル・ギブソンが狂人かと思えば実は「逆の配役」が功を奏しており、ショーン・ペンの熱演が光ります。演じる殺人犯のウィリアムは戦争時の体験がもとで精神を病んでいて、犯した罪は許されない一方、どこか同情を誘うような物悲しいキャラクターです。メル・ギブソンのようなすぐカッとなるタイプでは、ウィリアムが抱える心の裡を表現することはできなかったかもしれません。 ------------------------------------------------------------ それだけにもっと二人の交流に時間を割いてほしかったのが正直なところです。本作は明らかに尺が足りていないのですが、製作過程でスタジオ側と意見の衝突があり、不本意な結果になったことが明かされています。何でも当初はランタイムが152分の予定だったそうで、メル・ギブソンや監督は追加の撮影を依頼したものの、予算の関係で断られてしまったんだとか。 ------------------------------------------------------------ そもそもウィリアムとジェームズの交流よりも凄いのは、ウィリアムが殺した相手の奥さんと友情を育んでいたという事実でしょう。このドラマティックな実話はどうしても描きたかったんでしょうけど、そのせいで肝心の辞書編纂がいかに壮大なプロジェクトであったのか、二人がいかに聡明であったのか…根幹とすべきポイントが揺らいでしまったのは残念でなりません。
wishgiver
4.0
博士メル・ギブソンと狂人ジョーン・ペンが織りなす愛と語彙に溢れた、意外にもとても美しい作品でした。 ショーン・ペンはやっぱりすごい。 そして19世紀のロンドンの街並みと音楽も素晴らしくて、映画らしさに満ちた重厚な作品。 辞書づくりの進め方は『マルモイ』と同じだけど、描いているテーマはもう全く違う。 名優2人はもちろんですが、もう一つのストーリーのキーパーソンとなる未亡人イライザ役ナタリー・ドーマー、看守マンシー役エディ・マーサンのキャスティングも良かったし、久々に本格映画らしいテイストを満喫できました。 原作もぜひ読みたい! (2020.11.18@京都シネマ)
アリちゃんパパ
3.5
Oxford English dictionaryの初代編纂者である博士と精神を病んだ協力者の努力と友情を描いた秀作です。 PCのない時代に一語一語手作業で辞書を作り上げてゆく過程が丹念に描かれていて興味深く観ることができました。博士と狂人が辞書作りを通じて友情を深めてゆく姿も感動的でした。 博士を演じたメル・ギブソンも頑張ってますが、それ以上に統合失調症により殺人を犯し、精神病院に収容された男を演じたショーン・ペンの名人芸が光ります。
Shou
3.5
メルギブソンとショーン・ペンが演じる「博士と狂人」 外見を似せているのは、タイトル通り、博士と狂人の境目は危ういことをオマージュしているのでしょうか。 興行収入も低く、アメリカではあまり評価されなかった(内輪揉めがあった様子…)様ですが、 かなり見応えありました。 **************************************** 監督ファルハドサフィニア 脚本トッド・コマーニキ(ハドソン川の奇跡) 原作はサイモン・ウィンチェスター、ノンフィクション『博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話』
けいちゃん
4.5
予備知識を入れずに鑑賞。 英語辞書編纂の物語だけあって、出てくる言葉達がとにかく美しい。 会話のやり取りも必要以上に感情的でなく、抑えた表現だからこそ胸に迫るシーンが満載で、久しぶりに良い映画を観れて良かったと心の中からじんわりと感動が込み上げる。 メル・ギブソンとショーン・ペンの素晴らしさは言わずもがな、それぞれの出演者たちもとても良い演技をしていて、物語に入り込み、気が付くとエンドロールを迎えていた…!! 最近観た映画の中でズバ抜けて素晴らしかった。 また近い内にじっくりと鑑賞しようっと。
星ゆたか
3.0
2022.7.3 オックスフォード英語大辞典の誕生秘話。その編纂作業の中心における人物。ジェームズ・マレー“博士”と“狂人”に当たるウィリアム・チェスター・マイナー元軍医の物語。 映画は緊張の趣く殺人容疑で逮捕されたマイナーの裁判、その事件当夜の重々しい場面の再現から始まる。 “人違いの殺人”があまりに短絡的で、相手をよく確認せず行使するので?あれって思っていたら、これは当時“精神分裂症”と呼ばれ、後に「統合失調症」《SCHIZOPHENIA》(スキゾフレニア)と改められた精神疾患の、誤った言動犯罪であったことが判る。 この「統合失調症」の人間の映画で思いだすのに「ビューティル・マインド」(01)ラッセル・クロウがオスカーを受賞した作品があった。ソビエトの暗号解読を依頼された数学研究者の物語だ。 脳の精神機能の分解からくる“妄想” “幻聴”などの症状が現実との接触を難しくし、時に自己を抑えられずに時に犯罪を引きおこしてしまう。 そのためこの事件の裁判判定は、『無罪評決』で刑事犯精神病院に保護措置による拘禁処置が下された。傍聴席で騒ぐ聴衆人の中に、納得のいかない無言の表情の、夫を突然殺されたメレット婦人の姿。 一方ジェームズ・マレー博士は貧しい環境の中、独学で知識を習得しオックスフォード大学出版局の理事会に、その独自の視点・型破りの発想による辞典の編纂に期待が寄せられた。もうこの時点で辞典の編纂を志して20年の歳月が過ぎていた。だから打開策としての起用だ。 編纂のアイデアとして、広く一般に古くから伝えられている言葉の《引用》を公募する方法が採られた。 『海図も羅針盤もない船で、言葉の大海を今皆さんと一緒に渡り進み、英語に尊厳を与え天国の門へ到達させましょう』と呼びかけた。 その頃マイナー囚人は、自分の年金をメレット婦人にせめてもの罪滅ぼしにと、付き添い看守のマンシーに託し渡してもらう。始めは拒否されるが何回かの試みで誠意が伝わる。 そしてその頃新聞で辞典編纂のための、引用公募を知り協力の手段に部屋の改良と必要文献を取り寄せてもらう。所長もそれがこの病気の治療の手立てになるならと許可する。 そしてマレー博士のもとへ協力を申し出た。『どの単語の引用が必要なのか知らせて下さい』『言葉の大海で網を広げさせて下さい。私も釣り糸を垂れて未知の引用を引き上げます。』 マレー博士は『神は救世主を遣わした。我々も急ごう。』編纂の作業も停滞気味だったのだ。 この二人の名優の演じる人物が、初めて病院の中庭で出合う場面は中々感動的。共に孤独な仕事に使命・生きがいを見出だし、その人生の道すがらで出会えた共振の魂の喜びが、しみじみと滲み合う瞬間だ。文通で意思疎通が出来てますから、普通ならここはハグしたい所。しかし受刑者という立場、ショーンは“動物的”接触演技、共有感情でメルの髭を触るんです。すると苦笑するメルの“反応”演技、これはアドリブ的俳優演技掛け合い?なんてのリアル感。体全体で動き出せない感情表現の詰まった味わい。 ショーン・ペンこの時59歳、メル・ギブソン63歳、二人とも映画登場シーン開始の容貌から“いい年の取り方”をしているなという感心が第一印象でした。また俳優の印象では看守マンシー役を演じたのは、あの「おみおくりの作法」(03)の エデイ・マーサンさんでしたね。 物語はメレット婦人が、夫を殺され 憎しみ以外の何ものでもなかった男の 謝罪を、徐々に受け入れることから許しの気持ちになり、相手を女として受け入れる所まできていた。五人の子供との 安泰の生活も彼の年金のお陰だ。 そして子供達も収容病院で合わせようと試みる。しかし長女だけは他の幼い弟妹とは違い、決して許してはいなかった。 この避けていた現実の直視が回復していたかの病状を一気に悪化させてしまう。 彼を悩ましていた戦時下の敵兵ライリーの顔、烙印を焼き付けたあの顔、誤って殺してしまったメレット氏の恨ましい顔。に悩み苦しむ日々の再来。 辞典の編纂の協力もまるで出来なくなった。 様子の変に気づき会いにきたマレー博士も拒絶。そしてあのメレット婦人も門外拒否。 所長の実験的新治療も裏目に出て 廃人寸前の有り様。 また天下のオックスフォード大学の威信を掛けた、辞典の編纂作業に犯罪者が加わっていたとの公共の報道で、マレー博士も解任の方向へ追いやられてしまう。 さぁ事態はどうなるのでしょうか? 結末は見た上でのお楽しみということで。 しかしこの頃、色々の映画を観てきて思うんです。その色々の“その世界”にこだわれるってことは一種の才能で、その世界をまた完成達成させることはそれでまた大変なことなんだけれども。 でもそれが各人この世に生まれてきた使命なんでしょうね。 だから逆にそれを見つけられた人は なんて幸せなことなんだろうか!。
toa
4.0
文字は人間の革新的な発明の一つだと思うんです。文字にしたことは時も場所も超えて伝えることができる。辞書はその力を無限大にしてくれる。 辞書の編纂を介して描かれた人間ドラマ、予想以上に深くて、いろいろ考えながら数日かけてじっくり観ました。 罪と罰、人の情、権力闘争、ブラックボックスの労働力、研究の倫理、、終盤にはそこにつながるのかという人も登場したりして、よく2時間に詰め込んだなと思うほど。 物事は回り出すと邪魔が入るもの。いつだってそう。 それでも捨てたもんじゃない面もある、人間へのゆるしと応援を感じました。 キャストの名演と音楽もいい。お薦めです。 こういう作品こそアカデミー賞にせめてノミネートだけでも…と思ったけど、評論は微妙なんですね。そっかあ。
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