セイクク3.5湾岸戦争の混乱の中、出産時に取り違えられた2人の男性の話です。 「そして父になる」と同時期に公開されていた作品というのを以前聞いていたので、いつかは観てみたいと思っていた作品でした。 「そして父になる」と比べると当然笑わせようとする場面は一切なく、宗教や敵国など深刻さも更に増しています。 今まで自分が民族として信じていた宗教は自分の物ではなく、自分が敵だと思っていた国が実は自分の祖国だったなど…これからどう生きていけばよいのか途方に暮れるレベルです。 あくまでも大袈裟ではなく淡々と描いてている為メリハリに欠けますが、本作の方が映画としてのレベルは高いのでこれは好みでしょうね。 作品を観ているとローレヌ・レヴィ監督は親子関係を描きたいのではなく、民族や宗教に対しての問題提起を行いたいのだと感じました。 こういうアプローチで来られると…さすがとしか言えませんね。좋아요15댓글0
ジュネ4.0この時期日本映画界では『そして父になる』が大ヒットを飛ばし是枝監督も数々の賞を受賞していましたが、全く同じ題材でイスラエルから優れた本作が公開されていたことはほとんどの人が知らないでしょう。 ところがこちらの「入れ違い」は更に深刻であり、なんと登場する二人の息子はイスラエル人とパレスチナ人なのです。ゆえに「間違ってたんですね、じゃあこれから僕には二人のお父さんとお母さんがいるんだね」と簡単に解決できる話ではない。お互いが何年もの月日をかけて憎しみいがみ合い、同胞や親族を戦争で亡くしているわけですからそう易々とは受け入れられません。 劇中ではそんな驚愕の事実に周りの人間が動揺し憤慨していくなか、当の息子二人は困惑しながらもなんとかお互いに交流をはかろうとします。そして彼らの努力や歩み寄りを目にして周囲も変わろうとしていく。この過程が非常に丹念に描かれており、素朴ではあるものの真摯な作り手の姿勢を感じました。 問題がすぐに解決することは決してないと思いますし、本当の家族になるのにも何年もの時間がかかるのでしょう。過去に犯した過ちを映えある次の世代には2度と繰り返してほしくないという、製作陣の託したメッセージが聞こえてくるような、とてもいい映画でした。좋아요9댓글0
hanako4.02024/10/16 今こそ観たい作品。 テルアビブで幸せに暮らす18歳の青年が、イスラエルの兵役検査を受ける。すると血液検査の結果、両親とは血が繋がっていないことが分かる。なんと18年前の湾岸戦争の混乱の最中、同じ病院で生まれたパレスチナ人の赤ん坊と取り違えられていたのだ… ◆ 日本という島国における取り違えなんて、とても平和(不謹慎ながら、そうと思ってしまうくらいの悲劇)。なんせパレスチナ(アラブ人)とイスラエル(ユダヤ人)の取り違え。 「血が大事ですか?過ごしてきた時間が大事ですか?」なんて優しい世界線ではなく、宗教の世界では、血こそすべて。そう感じる場面が多数。 公開時期が近い日本映画「そして父になる」と並べられることが多いようですが、「縞模様のパジャマの少年」の方が近いかもしれませんね。 ”私たちを隔てる「人種」とはなんなのだろう?”ということを考えてしまいます。 ◆ 真実を知った両親の反応は「そして父になる」と比べると面白いかも。往々にして、父親の方が事実を信じられず、拒絶。母親は子供の意思を尊重しながら、歩み寄る。父親同士コーヒーを飲みに行く場面があるのだけど、何も会話はない。 ◆ 息子同士が交流を深め、そのうちにそれぞれ出生の家へ単独で訪ねていくように。「え、この映画はどういう落としどころにすんのよ」、という所でラスト20分。ハートウォーミングではなく、観ているこちらは割とハラハラします。 結末は、この紛争の世界に希望を持ちたくなるもの。(映画こその希望、かもしれません)좋아요6댓글0
ねこlove3.5赤ん坊の取り違えをテーマにした映画で、日本でも同じ題材の映画はあるけど、この映画はもっと複雑。貧富の差のような問題だけではなく、イスラエルとパレスチナ、敵対する国同士、信仰する宗教も違えば自分のアイデンティティが崩壊しかねない深刻な問題にもなってしまう。育ての親・兄弟と、実の親・兄弟との間で葛藤する2人の息子の姿が見ていて切なかった。좋아요5댓글0
cocoa4.0これはずっと観たかった作品で期待通りの一本でした。 2012年製作のフランス映画。 イスラエルで暮らすフランス系ユダヤ人のヨセフとパレスチナ人として分離壁の向こうで暮らすヤシン、ともに18歳になる二人の青年の話です。 湾岸戦争の混乱の中で同じ保育器に入って取り違えられた二人。 お互いに18歳ともなればその事実の重さ、大きさに戸惑い葛藤をします。 印象深かったのは青年の母親たち。 病院から説明される場でそれぞれ夫婦が初めて顔を合わせるのですが、事実の重みを感じながら本当の息子の写真を交換します。 「母」という産む性のせいか、嘆くことよりも写真の息子の存在を愛おしく思ったり。 (もちろん今まで育てた息子の事も大切に思える…そんな懐の深さはじんわりしました。) 対照的に父親たちはとても複雑。 様々な問題で対立するイスラエル人とパレスチナ人ですからその苦悩も大きい。 そしてヤシンの仲の良い兄の強い拒絶も理解できました。 大切な弟ヤシンが突然敵対する相手になるのですから。 物語はヤシンがヨセフのアイスクリーム売りを手伝ったり、ヨセフがヤシンの家を訪れ気まずい食卓につき突然歌うシーンが印象的。 ヤシンの父親も音楽を好み、ヨセフの音楽に対する夢を聞き、一気に心がほぐれた瞬間でした。 反発していたヤシンの兄の表情も和らぐ時間でした。 自身のアイデンティティが根本から揺らぐ取り違えの事実。 もちろんすぐには解決はしないけれどヨセフとヤシンのしなやかな考え方や両家の交わりを温かく感じられました。 実際のイスラエルとパレスチナの関係は非常に厳しい現実があります。 この作品は中立?するユダヤ系フランス人の女性監督が作ったのでバランスを保てた内容になっているのも事実でしょう。 最後のヤシンの「僕の両親?君の両親?」の台詞がなかなか深いものでした。 もう一度観たいと思わせる、私にとっては大切な一本でした。좋아요5댓글0
wishgiver4.0ユダヤ系フランス人女性監督ならではの感性が光る。 父親の頑なさと母親の柔軟性の描き方に和平の可能性のヒントを感じるし、音楽の持つ力やリベラルな当事者同士など、ある種の理想を見せてくれる。 実際はもっと多くの葛藤があるだろうし、アイデンティティの由来も一言では語れないけど、監督が提示しようとする前向きさに共感します。 2023.1.18@Amazonプライム좋아요4댓글0
zoeze4.5便利で邪魔で、たまにひどく暴力的な属性は誰かを形成する一部であり、でもそれそのものが彼や彼女の本質ではない。 互いを見て、互いの声を聞き、人と人とに立ち返った時に生まれる感情はシンプルなのに、壁を立て、鎖で繋ぎ、蓋をしてしまった思考が息苦しくも頭を塞ぐ。 他のすべての属性を凌駕し母たる2人が強い。가장 먼저 좋아요를 누르세요댓글0
セイクク
3.5
湾岸戦争の混乱の中、出産時に取り違えられた2人の男性の話です。 「そして父になる」と同時期に公開されていた作品というのを以前聞いていたので、いつかは観てみたいと思っていた作品でした。 「そして父になる」と比べると当然笑わせようとする場面は一切なく、宗教や敵国など深刻さも更に増しています。 今まで自分が民族として信じていた宗教は自分の物ではなく、自分が敵だと思っていた国が実は自分の祖国だったなど…これからどう生きていけばよいのか途方に暮れるレベルです。 あくまでも大袈裟ではなく淡々と描いてている為メリハリに欠けますが、本作の方が映画としてのレベルは高いのでこれは好みでしょうね。 作品を観ているとローレヌ・レヴィ監督は親子関係を描きたいのではなく、民族や宗教に対しての問題提起を行いたいのだと感じました。 こういうアプローチで来られると…さすがとしか言えませんね。
ジュネ
4.0
この時期日本映画界では『そして父になる』が大ヒットを飛ばし是枝監督も数々の賞を受賞していましたが、全く同じ題材でイスラエルから優れた本作が公開されていたことはほとんどの人が知らないでしょう。 ところがこちらの「入れ違い」は更に深刻であり、なんと登場する二人の息子はイスラエル人とパレスチナ人なのです。ゆえに「間違ってたんですね、じゃあこれから僕には二人のお父さんとお母さんがいるんだね」と簡単に解決できる話ではない。お互いが何年もの月日をかけて憎しみいがみ合い、同胞や親族を戦争で亡くしているわけですからそう易々とは受け入れられません。 劇中ではそんな驚愕の事実に周りの人間が動揺し憤慨していくなか、当の息子二人は困惑しながらもなんとかお互いに交流をはかろうとします。そして彼らの努力や歩み寄りを目にして周囲も変わろうとしていく。この過程が非常に丹念に描かれており、素朴ではあるものの真摯な作り手の姿勢を感じました。 問題がすぐに解決することは決してないと思いますし、本当の家族になるのにも何年もの時間がかかるのでしょう。過去に犯した過ちを映えある次の世代には2度と繰り返してほしくないという、製作陣の託したメッセージが聞こえてくるような、とてもいい映画でした。
hanako
4.0
2024/10/16 今こそ観たい作品。 テルアビブで幸せに暮らす18歳の青年が、イスラエルの兵役検査を受ける。すると血液検査の結果、両親とは血が繋がっていないことが分かる。なんと18年前の湾岸戦争の混乱の最中、同じ病院で生まれたパレスチナ人の赤ん坊と取り違えられていたのだ… ◆ 日本という島国における取り違えなんて、とても平和(不謹慎ながら、そうと思ってしまうくらいの悲劇)。なんせパレスチナ(アラブ人)とイスラエル(ユダヤ人)の取り違え。 「血が大事ですか?過ごしてきた時間が大事ですか?」なんて優しい世界線ではなく、宗教の世界では、血こそすべて。そう感じる場面が多数。 公開時期が近い日本映画「そして父になる」と並べられることが多いようですが、「縞模様のパジャマの少年」の方が近いかもしれませんね。 ”私たちを隔てる「人種」とはなんなのだろう?”ということを考えてしまいます。 ◆ 真実を知った両親の反応は「そして父になる」と比べると面白いかも。往々にして、父親の方が事実を信じられず、拒絶。母親は子供の意思を尊重しながら、歩み寄る。父親同士コーヒーを飲みに行く場面があるのだけど、何も会話はない。 ◆ 息子同士が交流を深め、そのうちにそれぞれ出生の家へ単独で訪ねていくように。「え、この映画はどういう落としどころにすんのよ」、という所でラスト20分。ハートウォーミングではなく、観ているこちらは割とハラハラします。 結末は、この紛争の世界に希望を持ちたくなるもの。(映画こその希望、かもしれません)
ねこlove
3.5
赤ん坊の取り違えをテーマにした映画で、日本でも同じ題材の映画はあるけど、この映画はもっと複雑。貧富の差のような問題だけではなく、イスラエルとパレスチナ、敵対する国同士、信仰する宗教も違えば自分のアイデンティティが崩壊しかねない深刻な問題にもなってしまう。育ての親・兄弟と、実の親・兄弟との間で葛藤する2人の息子の姿が見ていて切なかった。
cocoa
4.0
これはずっと観たかった作品で期待通りの一本でした。 2012年製作のフランス映画。 イスラエルで暮らすフランス系ユダヤ人のヨセフとパレスチナ人として分離壁の向こうで暮らすヤシン、ともに18歳になる二人の青年の話です。 湾岸戦争の混乱の中で同じ保育器に入って取り違えられた二人。 お互いに18歳ともなればその事実の重さ、大きさに戸惑い葛藤をします。 印象深かったのは青年の母親たち。 病院から説明される場でそれぞれ夫婦が初めて顔を合わせるのですが、事実の重みを感じながら本当の息子の写真を交換します。 「母」という産む性のせいか、嘆くことよりも写真の息子の存在を愛おしく思ったり。 (もちろん今まで育てた息子の事も大切に思える…そんな懐の深さはじんわりしました。) 対照的に父親たちはとても複雑。 様々な問題で対立するイスラエル人とパレスチナ人ですからその苦悩も大きい。 そしてヤシンの仲の良い兄の強い拒絶も理解できました。 大切な弟ヤシンが突然敵対する相手になるのですから。 物語はヤシンがヨセフのアイスクリーム売りを手伝ったり、ヨセフがヤシンの家を訪れ気まずい食卓につき突然歌うシーンが印象的。 ヤシンの父親も音楽を好み、ヨセフの音楽に対する夢を聞き、一気に心がほぐれた瞬間でした。 反発していたヤシンの兄の表情も和らぐ時間でした。 自身のアイデンティティが根本から揺らぐ取り違えの事実。 もちろんすぐには解決はしないけれどヨセフとヤシンのしなやかな考え方や両家の交わりを温かく感じられました。 実際のイスラエルとパレスチナの関係は非常に厳しい現実があります。 この作品は中立?するユダヤ系フランス人の女性監督が作ったのでバランスを保てた内容になっているのも事実でしょう。 最後のヤシンの「僕の両親?君の両親?」の台詞がなかなか深いものでした。 もう一度観たいと思わせる、私にとっては大切な一本でした。
wishgiver
4.0
ユダヤ系フランス人女性監督ならではの感性が光る。 父親の頑なさと母親の柔軟性の描き方に和平の可能性のヒントを感じるし、音楽の持つ力やリベラルな当事者同士など、ある種の理想を見せてくれる。 実際はもっと多くの葛藤があるだろうし、アイデンティティの由来も一言では語れないけど、監督が提示しようとする前向きさに共感します。 2023.1.18@Amazonプライム
あっちゃん
3.5
イスラエル人とパレスチナ人との間で起きた、出生時の子供の取り違え。その運命に立ち向かう二人の息子たちと家族を描く見応えのある社会派ドラマ。
zoeze
4.5
便利で邪魔で、たまにひどく暴力的な属性は誰かを形成する一部であり、でもそれそのものが彼や彼女の本質ではない。 互いを見て、互いの声を聞き、人と人とに立ち返った時に生まれる感情はシンプルなのに、壁を立て、鎖で繋ぎ、蓋をしてしまった思考が息苦しくも頭を塞ぐ。 他のすべての属性を凌駕し母たる2人が強い。
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